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コメリ、上期減収減益も業績トレンドは右肩上がり 将来的に3000店舗展開をめざす戦略とは

コメリ(新潟県/捧雄一郎社長)は2022年3月期第2四半期の決算発表を行った。営業収益は1969億4300万円、営業利益177億4300万円、経常利益178億6600万円、四半期純利益120億2900万円だった。対前年同期比は、22年3月期の期首より「収益認識に関する会計基準」を適用しているため参考値となるが、営業収益が前年同期比3.2%減、営業利益同13.9%減、経常利益同14.0%減、四半期純利益同14.9%減で、減収減益の結果となった(前年同期についても、当該会計基準を適用したと仮定した数値)。

過去5年業績では増収増益トレンド

 コメリは減収減益の要因について、前期(21年3月期)はコロナ禍の影響で業績が大きく伸びた期であったことを踏まえ、過去5年推移から見れば「営業収益、営業利益ともに右肩上がりのトレンド上にある」としている。既存店売上については、前年同期比6.1%減だが、前々年との比較では1.6%増と、前年をイレギュラーとすれば確かに増収傾向にあるといえる。

 カテゴリー別では、とくにリフォーム資材・エクステリア用品で買い上げ点数、客単価が上昇。前年比3.3%増、前々年比では15.8%増の303億600万円となった。工具・金物・作業用品は340億7700万円(前々年比9.6%増)、園芸・農業用品は554億6600万円(同9.4%増)だった。家電・レジャー用品も前々年比では4.7%増の202億6500万円。日用品・ペット用品(302億3900万円)、インテリア・家庭用品(155億2000万円)、燃料他(18億2800万円)は、前々年比でもマイナスの結果となった。

 新規出店は大型店の「パワー」が3店舗、同社の主力業態である「ハード&グリーン(以下、H&G)」が2店舗、資材・建材などの専門店である「PRO」1店舗の計6店舗。一方で、業態転換・移転増床にともないH&G3店舗を閉店し、22年3月期第2四半期末の店舗数はパワー79店舗、H&G1,117店舗、PRO7店舗、インテリア用品専門店の「アテーナ」8店舗の合計1,211店舗となった。このほか6月25日、タイ1号店として「コメリハード&グリーン パノムサラカーム店」をオープンした。また改装では、当初計画通り、第2四半期実績として、94店舗、約4万3000坪のリニューアルを実施した。

JAとの協業で新たなシナジーも

 全国に広がる店舗網とネットの融合は同社の強みだが、上半期のEC売上は前年比11.1%増、EC比率も前年から0.66ポイントアップの4.9%まで高まってきた。EC全体の80%がBOPIS(ネット注文、店頭受取)利用だという。
 また、業種業態を超えた大競争時代を勝ち抜くために不可欠と位置付けるのが、プライベートブランド(PB)商品だ。21年6月には、プロ顧客のニーズに対応した電動工具のカテゴリーブランド「UBERMANN(ウーバマン)」をデビューさせた。22年3月期2Q時点で、PB構成比は45.9%、前年比1.8ポイントプラス。将来的には50%超をめざすとしている。
 ホームセンター企業で唯一、自社発行しているクレジットカードについては、会員数426万(2021年9月末時点)となり、カード会員は客単価、来店頻度、年間購入額で非会員を4割近く上回るという。
 また、コメリが主として担う市場がリフォーム関連資材市場と農業資材関連市場だ。捧社長は「どちらも大きな市場だが、旧態依然とした非効率が残っており、困っている顧客が多い。この分野での流通イノベーションを提供するのが当社のミッション」と語る。
 リフォーム事業は、上期対前年同期比12%増で推移。全国にリアル店舗があり、全国一律のリフォームサービスができることが大きな強みになっている。高齢化社会がますます進み、高齢者から商品の取り付け、リフォーム、修繕を頼まれる機会が多くなっているという。
 農業資材関連では、20年3月、長野のJA上伊那との協業がスタート。21年4月からはJA紀の里(和歌山)、JA山形おきたまでも開始した。具体的にはJAが取り扱う肥料や農薬、農業資材などをコメリでも取り扱うもので、JA上伊那では今回の取り組みにより利益が2倍になっているという。「農業資材を購入する組合員の方たちが、当社のカードホルダーにもなり、農業関連以外の、木材、工具、金物などを買っている。JA、組合員、コメリ、三方よしの関係ができている。今後、他のJAにも水平展開できると考えている」(捧社長)。

通期業績予想は据え置き、将来的には3000店舗体制へ

 コメリは22年3月期下半期の業績見通しについて、住まい環境改善ニーズは底堅いとみており、下期売上は当初予想(5.2%減)よりも上振れを想定している。22年3月期通期の業績予想は、営業収益3820億円(前期並み/前々期比9.6%増)、営業利益275億円(前期比8.6%減/前々期比48.9%増)、経常利益276億円(同8.4%減/同48.2%増)、当期純利益173億円(同14.6%減/同44.9%増)と、4月27日に公表した通期業績予想を据え置いた。
 下半期は20店舗の出店を計画(パワー7店舗、H&G9店舗、PRO4店舗)。ここ数年来、ホームセンター業界はオーバーストア状態にあると言われているが、同社出店済みの市町村は44.4%(21年9月末時点)に過ぎず、捧社長は「まだまだすき間だらけ。今後3000店舗体制をめざす。とくにいまは、ローコスト出店の条件が整っており、千載一遇のチャンスとみてアクセルを踏んでいく」と強気の姿勢を見せている。海外展開では、年明けにはタイ2号店を出店できる運びだ。