低価格・高品質の生鮮食品を求めるお客で連日にぎわいを見せているロピア。その圧倒的な集客力の要となっているのが、青果部門である。ロピアの青果売場はいかなる方針で運営されているのか。青果のスペシャリスト、経営コンサルタント事務所 アズライトの榎本博之氏が同社屈指の繁盛店「ロピアららぽーとTOKYO-BAY店」(千葉県船橋市:以下、ららぽーとTOKYO-BAY店)の売場から分析する。※本文中の価格はすべて税抜 調査店:ロピアららぽーとTOKYO-BAY店
絞り込んだ品揃えの中でメリハリつけて量感を演出
食品スーパー(SM)の運営において、青果は集客の要といわれる部門である。入口からすぐ、来店客と最初に接するこの売場を最大限に活用し、ロピアの青果では、買い上げ点数を上げることを念頭に置いた売場づくりを実践している。
その手法は実にシンプルだ。「単品量販」を方針とし、購買頻度の高い果物や野菜をしっかり売り込んでいく。お客が手に取るであろう商品を、まさに“ねらい撃ち”しているかのような印象だ。売場はボリュームがある半面、品揃えを絞り込んでいるため、ロピア青果売場の取り扱いアイテム数は決して多くない。それでも特定のカテゴリーや商品群ではラインロビングによって差別化を図ろうとしているのが窺える。
今回の調査でららぽーとTOKYO-BAY店に足を運んだ9月上旬は、ブドウや梨、トマトなどの青果物を、平台の表裏を使い、各品種を集めてそれぞれ深掘りしていた。ブドウは、関東ではなじみがない西日本産も交えて15種類を展開。シャインマスカットやピオーネといった果物の中でも付加価値品に位置づけられる商品については、多様な産地、品種を揃えていた。さらに手の届く価格設定とすることによって、デイリーユースとハレの日、両方の需要を取り込もうとする意図が見える。
商品に添えてあるPOPでは、価格のほか糖度を表記するなど、必要最低限の情報を発信。一般的なSMでよく見られる関連販売はほとんど行っておらず、単品量販に徹している。
野菜は、ABC分析でAランクに分類される重点商品を、マグネットとなる場所に置くことで買い上げ率アップをねらっている。陳列はメリハリをつけることで、豊富な量感の売場を演出しようとしているようだ。
具体的には、お客の通過率が高い場所で購買頻度の高い
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