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ベルクの強さは販促にあり!?話題作りでもCRMでも圧倒する「包括的な販促」戦略とは

ベルク大02

消費者調査を通じて、ベルク(埼玉県/原島一誠社長)が支持を得ている大きな要因の1つに同社の販促活動があるとわかった。その手法は取引先メーカーと連携した、あっと驚く懸賞企画からご当地アイドルを起用したラジオ番組での情報発信まで、実にユニークで多岐にわたる。店頭プロモーションの専門家に食品スーパー(SM)業界の直近の販促トレンドを語ってもらうとともに、ベルクが展開するプロモーション活動を分析してもらった。

コロナ禍で一気に変化したSMの販促

 新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大の影響は小売業における販売促進のあり方にも大きな変化を生んだ。折り込みチラシや、従来売場で行われていた催事や試飲・試食販売の中止など、長年活用されてきた施策を見直さざる得なくなった。

 小売業における販促については近年、店舗(オフライン)とオンラインの融合としてモバイルやソーシャルメディアを活用した取り組みが注目され、これらの考え方や戦略もコロナ禍によって一気に進展した。こうした背景における現在のSM業界の販促の特徴・傾向と、ベルクの取り組みを解説したい。

 まず、コロナ禍におけるSM業界の販促の変化について触れたい。その傾向は大きく5つあり、①感染対策の観点で従来の商談が難しくなったことから棚に並ぶ新商品の導入が減り、定番商品の訴求が重要になった、②商品政策(MD)のテーマとして「安全・安心」「健康(なかでも免疫)」などが注目を集めている、③動画による商品訴求といった、試飲・試食に代わる新しい販促策が模索されるようになった、④同じカテゴリーの食品メーカー企業同士での共同による販促企画が増加した、⑤食品ロス削減など「SDGs」を意識することがいっそう求められるようになったことが挙げられる。

 こうした状況を踏まえて、ベルクは今どのような販促に取り組んでいるのか。それを分析するべく、ここ数年のベルクの販促策を、それによって期待される4つの効果「集客」「売上/客単価の向上」「CRM(顧客管理システム)の強化」「話題づくり・新規顧客の獲得」で分類した。するとベルクでは、この4つの効果それぞれに対して施策を打ち「包括的な販売促進」が実行されていることがわかった。全国的にもこのように全方位的でバランスのとれた販促を実践できている食品小売業はほんの一部しかない。いかにベルクが戦略的に販促を強化しているかがうかがえる。

ベルクの販促4つの効果

「霊視体験」「UFO襲来」…インパクト大の販促の数々

 では、ベルクの販促策を4つの効果別に見ていこう。まず、「集客」を目的にした取り組みでは、ベルクは「ツイッター」「インスタグラム」などのソーシャルメディアを活用して商品や特売などの情報を提供している。注目したいのは、顧客が店を身近に感じられる情報を、日々発信できていることだ。これは簡単なようで、実践できていないSMが大半だ。

 たとえば「インスタグラム」では、

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