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ミニストップ、23年2月期上期 4年ぶり営業黒字の要因とは

ミニストップ(東京都/藤本明裕社長)が2023年2月期上期連結決算を発表。構造改革による経営効率化を進めたことで、4年ぶりの黒字転換を果たすなど好調を示した。

4年ぶり黒字化達成の要因とは

 ミニストップの2023年2月期上期連結決算は営業総収入426億円、営業総利益214億円、営業利益500万円、経常利益4億、当期純利益150億円となった。18年度以降、4年ぶりの営業黒字を果たしている。

 藤本社長はこの要因について「事業の集中化によって経費を適正化し、利益を創出しやすい企業構造をめざし変革を推進したことで、店舗売上が堅調に推移した結果だ」とした。国内ミニストップのうち、不採算店舗の閉店を進めたことで、減価償却費と設備費で併せて7億円の削減に成功したという。

 また、今年1月に子会社である韓国ミニストップを現地財閥大手のロッテに売却したことも黒字転換に大きく寄与した。「営業総収入は昨年同期よりは減少したものの、株式売却益238億3100万円を計上できた」(藤本社長)。

プロモーションに注力した前年同期とほぼ同じ売上を実現

 単体業績では、営業総収入335億円、営業総利益207億円、営業利益1億円、経常利益6億円、当期純利益121億円。営業利益は前年同期の7億円の赤字から黒字転換を果たした。

 プロモーション媒体をテレビCMやWebから自社アプリに切り替えたことで、広告宣伝費は前年同期から9億円削減。このことが黒字化に寄与した形だ。

 上期累計既存店日販は前年比99.3%だが、「前年同期は、テレビCMやWebを活用したプロモーションを毎月実施し、マスメディアでのプロモーションに力を入れた。今期はマスメディアでのプロモーションを積極的に実施していないにもかかわらず、前年同期と同等の売上を実現できている」(藤本社長)と、前向きな見方を示した。

下期はディスティネーションストアの確立をめざす

 下期には、物価上昇や顧客の節約意識が高まるなかでも、顧客に「選んでもらえる店舗」を実現できるよう、ディスティネーションストアの確立をめざす。そのために品揃えとオペレーションの改革をすすめていく。

 まず、商品改革では、イオン(千葉県)グループのプライベートブランド「トップバリュ ベストプライス」など、価格競争力の高い商品を積極的に導入する。また、ほかの商品と買い合わせしやすいミニ弁当の発売、おにぎりや店内ファストフードのリニューアルなどを通して、顧客に商品の魅力を感じてもらえるよう工夫を凝らす方針だ。

 オペレーションに関しては、ファストフード(FF)商品のさらなる品質向上を図る考えだ。上期にはファストフード(以下FF)の販売金額が前年を大きく上回り、FFチキンが対昨年同期比122%、FF店内調理弁当が同226%、FFポテトが同116%、FF店内おにぎりが同112%の伸長を見せた。藤本社長は「上期にFF商品の陳列法や販売方法の見直しを図ったところ売上が伸長した。下期でもさらなる強化を図り、売上向上に繋げたい」と述べ、各店舗でのFF商品実現度の向上、迅速な商品提供などを実現すべく、FF商品の製造数や製造時間といった実行計画を明確化することに着手すると発表した。

 通期連結業績予想は当初計画どおり、営業総収入805億円、営業利益2億円、経常利益4億円を見込む。藤本社長は「商品改革、オペレーションの精度を高めるとともに、引き続き不採算店舗を早期閉店することで、経営効率を高めることに注力していきたい」と語った。