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30~40代女性に人気の製菓材料店がデジタル化!富澤商店のOMO戦略とは

新型コロナウイルス(コロナ)感染拡大によって自宅で過ごす時間が増えたことで、人々の家庭内調理シーンは増加した。製菓・製パンの材料・器具を販売する富澤商店(東京都/富澤淳社長)も、そんな消費環境の変化の影響を大きく受けた企業の1つだ。こうしたなか同社は、根強いファンを持つECと実店舗を軸に、従来の事業モデルからの変革を加速させている。

コロナ禍が製菓・製パンを楽しむ人が広がる契機に

 富澤商店は1919年に東京都町田市で乾物店として創業。その後、86年から百貨店や商業施設内に製菓・製パン材料・器具の専門店「富澤商店」の出店を開始し、現在では北海道から四国・九州まで計88店を展開している。

東京都町田市にある富澤商店の本店。もとは1919年に乾物店として創業した

 2003年にはオンラインショップを開設し、15年頃から本格的にEC事業を推進。17年には同じく製菓材料・器具のEC、専門店を運営していた旧クオカプランニング(徳島県)を買収し事業規模を拡大したほか、18年9月には業務用卸専用E Cサイト「TOMIZ for business」も立ち上げた。

 コロナ禍は富澤商店のEC化をいっそう進める契機となった。とくにコロナ感染拡大直後は、自宅で過ごす時間が増えたことで、料理さらには菓子・パンも自宅で手づくりする人が増え、食品スーパーの店頭からもパンケーキミックスが品切れになったことは記憶に新しい。

 富澤商店では、外出自粛生活によって百貨店や商業施設内の実店舗の売上高が落ち込んだものの、EC事業がそれをカバーするほど急伸した。20年4月には、

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