メニュー

チームマーチャンダイジングの賜物

 ナショナルブランド(NB)商品よりも、アイデア、品質に優れ、お買得感のあるプライベートブランド(PB)が市場で目立つようになった。イオン(千葉県/岡田元也社長)の冷凍食品「トップバリュ レディミール」は「簡単調理」「おいしい」「安心メニュー」を標榜。レンジで温めるだけで、定食を楽しむことができる。セブン&アイ・ホールディングス(東京都/村田紀敏社長)の「セブンゴールド カップラーメン」も268円と割高ながら、「おいしい」と納得させられる。

 

 加工食品だけではない。総菜もしかりだ。なぜ、小売業が製造業よりも良い商品を開発できるようになっているのか? チームMD(マーチャンダイジング)によるところが大きいと考えられる。小売業を中心に各製造業が技術を結集する。技術を出さなければ、同業他社にチェンジされてしまうから各社は目の色を変えて取り組まざるをえない。

 

 どんな素晴らしい技術を有する製造業も1社の技術のみでは限界があるだろう。花王(東京都/澤田道隆社長)の縦軸(商品開発)、横軸(基礎研究)の商品開発は有名なところだが、それにしても拠り所にしているのは1社の技術。最近の素晴らしいPBを見ていると、企業間の壁を超え、お互いの最新技術を持ち合い、掛け合わせることで、見たこともないような商品を開発する時代が来ているような気がする。 

 

『チェーンストアエイジ』誌2013年4月15日号