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ライフラインを守るのも、パニックを未然に防ぐのもチェーンストアの仕事

 食品スーパーに行くと、相変わらず品切れしている商品が少なくない。

 

 被災地に商品を優先的に配送していることや部品不足で完成品を製造できない商品があること。また、一部には買いだめや買い占めの影響もあるからだ。

 

 最悪の状況時との比較で言えば、水やヨーグルト、納豆、カップめん、缶詰、乾電池などはずいぶんと品切れが目につかなくなり、こうした商品の特売も復活するようになっている。

 

 とはいうものの、在庫不足をそのまま放置しておけば、売場は歯抜けでスカスカになってしまう。

 

 そこで食品スーパー企業は、調達可能な商品のフェイス数を広げ、単品を大量に積むことで豊富な品ぞろえ感を出したり、これまで取引のなかったローカルメーカーを探し、棚を埋めるための代替商品を確保したりと涙ぐましい努力を行う毎日だ。

 

 「豊富に商品を見せれば、お客様は安心します。逆に品薄感が売場に現れると、買いだめや買い占めを喚起してしまうようなところがありますので、いろいろな取組をして、とにかく豊富な品ぞろえ感を演出しています」とある企業の幹部。案内してもらい、売場をよく見れば、なるほど、品薄商品をカバーするこまごまとした対策が打たれていた。

 

 ライフラインを守るのは、チェーンストアの仕事。

 お客を安心させ、パニックを未然に防ぐのもチェーンストアの仕事。

 

 東奔西走しながら品物を集める商品部や豊富感演出に努める売場の担当者に感謝するとともに、チェーンストアの社会的責任の大きさを改めて実感する。