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「時間軸」でくくった売場づくり

 食品スーパーの売場が大きく変わろうとしている。

 従来は、入口をはいると、主通路に沿って、農産→水産→畜産→総菜が取り囲み、中心部には、日配品や加工食品、日用雑貨の売場を配するというのが一般的だった。

 

 ところが近年は、クロスマーチャンダイジング(関連販売)が流行しており、農産売場の中にレトルトのソースやサラダドレッシングなどの加工食品を大きく展開することで消費者に利便性を与えている。

 

 また、生鮮食品売場では、素材を店内で調理して総菜にして、提供するという動きも見逃せない。総菜の完成品を提供する企業もあるし、“ハーフデリ”と称する半加工品。たとえば、豚ロースにパン粉をまぶし、あとは揚げるだけという状態にした商品なども充実の一途を辿っている。

 

 メニュー提案をする場として、店内に簡易キッチンを設置して、消費者にその日の夕飯のヒントを提供するコーナーも板についてきた。多くの企業がさまざまな名称でこうした売場を展開して、消費者の購買意欲をくすぐっている。

 

 そんな売場の数々を見たうえでの思いつきの提案なのだが、「時間軸」を使った売場づくりというものはできないだろうか?

 

 いまの消費者は、素材なのか完成品としての総菜なのかという二者択一でメニューを決めるのではなく、自分がその日の夕食づくりに使える時間をベースにメニューを組み立てているようなところもあるからだ。

 

 たとえば、「0分」「10分」「30分」「60分」とフロアを分類して、そこでメニュー提案をすればおのずと売場はできあがるのではないか。

 同じカレーを提案するなら「0分」はカレー弁当、「10分」はレトルトカレーとレトルトごはん、「30分」はカット野菜、カット肉、カレールーをセットにしたような“ハーフデリ”、「60分」は素材からつくるというようなイメージだ。

 

 「30分以内に消費する商品」ばかりを集めて成長してきたのがコンビニエンスストア――。

 同じような論理をあてはめて「時間軸」の品揃えで売場をつくってみることは価値があると思うのだが、フラッシュアイデアであり、確信は持てないので各社で検討してみていただきたい。