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ロングセラー菓子「鮮度」維持=グッズや交流会、SNS効果も―メーカー各社

明治(東京)が限定販売した「きのこの山ワイヤレスイヤホン」
〔写真説明〕明治(東京)が限定販売した「きのこの山ワイヤレスイヤホン」=3月25日、千葉県成田市(時事通信社)

 誰もが知るロングセラー商品を擁する菓子メーカー各社が、ファン向けの限定グッズ販売やイベントの開催に力を入れている。商品への愛着が深いだけに、味やブランドイメージの大幅な刷新はファン離れを招くリスクがあるが、「何らかの話題は提供していかないと」(大手製菓)と頭を悩ます。SNS上で取り上げてもらうなどの工夫も凝らし、「鮮度」の維持を狙う。

 明治(東京)は今年3月、チョコレート菓子「きのこの山」(1975年発売)を模したワイヤレスイヤホンを3500台限定で発売。2万9800円と高額だが、わずか10分ほどで完売した。「架空のおもしろ雑貨」としてSNS上で募ったアイデアを商品化し、発売時もSNSで大きな反響があった。

 同社担当者は「ロングセラー商品は常に新鮮さを出していくのに苦労する」と話す一方、「きのこの山の面白く楽しい世界観を、食品以外でも出していきたい」と意気込む。

 ファンとメーカーが直接交流できるイベントも広がる。「じゃがりこ」(95年発売)や「かっぱえびせん」(64年発売)を展開するカルビーは今年6月から、全国各地でファンミーティングを開催。全国規模での取り組みは初めてといい、担当者は「ファンの力を借りて、ブランドの進化や深化につなげていくのが狙い」と説明する。

 同社は、ミーティングの様子をX(旧ツイッター)で発信した参加者を対象に、抽選でプレゼントを贈る仕掛けも用意した。

 ブランドやメーカーそのものを好きになってほしいとの思いから、春日井製菓販売(名古屋)の原智彦おかしな実験室長は、2018年にトークイベント「スナックかすがい」を始めた。同社は豆菓子「グリーン豆」(1973年発売)やキャンディー「ミルクの国」(84年発売)で知られるが、これまでのテーマは商品と直接関係はない。  

今年11月に開催された33回目も話題は「津波防災」に。原室長は「店頭で(商品を)手に取ってもらうためにも、まずは会社に愛着を持ってもらいたい」と狙いを明かした。