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三菱商事、洋上風力拡大に意欲=新産業興し地域活性化―中西社長インタビュー

インタビューに答える三菱商事の中西勝也社長
〔写真説明〕インタビューに答える三菱商事の中西勝也社長=2022年12月22日、東京都千代田区(時事通信社)

 三菱商事の中西勝也社長は6日までにインタビューに応じ、再生可能エネルギー普及の切り札とされる洋上風力発電について、「競争力を持ってやっていく」と述べ、事業拡大に意欲を示した。同時に、「地域が元気でないと日本経済が駄目になる」とし、風力発電の実施地域などで新たな産業を興し、地域を活性化する方針を強調した。

 三菱商事は2021年末、政府公募で秋田、千葉両県沖3海域の洋上風力発電事業者に選ばれた。昨年末には新たに新潟県沖など4区域で公募が始まっており、将来も複数の海域で洋上風力発電の入札が続く見通し。中西氏は4区域への応募については明言しなかったが、今後とも積極的な姿勢で臨むという。

 中西氏は、「再エネは地域分散型電源。各地域の特色を生かした産業を興す。デジタル技術を使えば東京に集中する必要はない」と説明。新たに興す産業について、「再エネで余った電気で水素ができ、その水素で(環境負荷の少ない)衣料品などの素材をつくる」などと例示した。地元企業とは電力供給を通じ、「一緒に街を良くし、人を増やすという好循環をつくる」との考えだ。

 中西氏は国内産業の現状について、「為替の影響を受けないようサプライチェーンを海外につくった結果、空洞化した。半導体やエネルギーの自給力がないため、(地政学リスクの中で)国力が弱まっていく」と強調。海外で事業展開する商社は、「(日本という)本拠地が強くないと、海外で自分を見失う。強い日本、世界に勝てる日本でないと」と力説した。

 一方、業績が伸び悩む子会社のローソンについて、「特別扱いはしない。(他の事業と同様に)三菱商事の役割が終わったら子会社である必要はない」と指摘。「ローソンは大改革中。親会社としてローソンの位置付けを見極めており、いずれ結論を出す」と述べ、状況次第で出資を見直す可能性があることを示唆した。

 参画しているロシア極東の石油・天然ガス開発事業「サハリン2」については、「日本政府とよくすり合わせていかないと、一民間企業の責任を超えている」と述べた。