大手百貨店で新春恒例の初売りが1日から始まった。コロナ下で迎える3回目のお正月。これまでより外出機会が格段に増えて消費者心理は上向いており、各社ともコロナ禍前の売り上げ水準を取り戻したいと期待を寄せる。
西武池袋本店(東京都豊島区)は1日、店の外に行列ができたため、予定を30分繰り上げて午前9時半に開店した。同店によると、人出は昨年に比べ約1.5倍。7階催事場で洋菓子など11ブランドの食品福袋を計約2500個販売した。
毎年初売りに足を運んでいるという30代の女性は「ハムと肉まんを買った。この後、家族で食べるのが楽しみ」と満足げ。娘と洋菓子の福袋を買いに来た東京都在住の女性は、「スーパーに並んでいるものも電気代も値上がりして大変だけれど、お正月くらいはちょっとぜいたくしたい」と話した。
松屋銀座(東京都中央区)が店頭の一部でクリスマス直後から福袋を販売したところ、こだわりのしょうゆを集めた店やフランスの紅茶専門店の福袋が人気を集めたという。広報担当者は「物価高が家計に打撃を与えており、食品の売れ行きが例年に比べても良い」と話した。
高島屋や大丸松坂屋など、多くの百貨店は元日は休業し、初売りは2日。「お得感」を打ち出した食品福袋などで客を呼び込む。