ローソン(東京都/竹増貞信社長)は2022年11月28日、東京都豊島区に「グリーンローソン」をオープンさせた。同店は、省人化や環境配慮の取り組みなど、ローソンが「お客様・マチと一緒に創るサステナブルな店舗」をめざして出店したモデル店である。同店のコンセプトづくりと店舗設計を担当した同社執行役員兼インキュベーションカンパニー プレジデントの酒井勝昭氏に話を聞いた。
※本記事は2月1日号に同梱した別冊「DIAMOND Retail DX」で掲載したものですが、事実と異なる文章が混ざった編集途中の記事が掲載されました。訂正するとともに、正式な記事としてここに再掲載します(酒井勝昭氏の肩書きは当時のもの)。
DX活用でめざすは“人間らしさ”のある店
ローソンは全社的にDX(デジタル・トランスフォーメーション)を推進している。なかでも同社のインキュベーションカンパニーでは、新たな事業基盤の開発を担う組織を集約している。
そんなローソンがグリーンローソンをオープンさせた背景には、DXを用いて最新の取り組みを導入しながら、“人間らしさ”を実現する店舗づくりを実践したいという考えがある。同社はこれまでも「Lawson Go MS GARDEN店」(東京都文京区)といったウォークスルー決済導入店舗を出店したほか、「ローソン氷取沢町店」(神奈川県横浜市)での深夜省人化の実験など、デジタル技術を活用した店づくりを行い、未来のコンビニエンスストア(CVS)のあるべき姿を模索してきた。
いずれの取り組みも、人口減社会における省人化に対応した取り組みである。ローソンの酒井氏は「デジタル技術導入の最大のねらいは、コストや煩雑な仕事を削減することで、従業員の皆さんに人にしかできない仕事に集中してもらう点にある」と話す。
こうした過去の取り組みを集約したうえでグリーンローソンでは、最新のデジタル技術を導入することはもちろん、「お客様・マチと一緒に創るサステナブルな店舗」をコンセプトに掲げ、DX活用をテコに「人のあたたかみ」を来店客に体感させる店舗設計を行った。「人口減少や少子高齢化が加速する社会においては、持続可能な店舗をつくっていくことが必要だと考えた。グリーンローソンは、既存店を含め、当社の今後の店舗展開を考えたうえでのモデルとなる店舗だ」(酒井氏)。
そんなグリーンローソンにおけるDX活用では具体的に、①アバターを活用した誰もが活躍できる店舗づくり、②従業員の負担軽減をねらったセルフレジの展開、③モバイルオーダーで“出来たての弁当”を訴求する、の3つの取り組みを行っている。以下3つの特長を順に見ていこう。
勤務地の制約なくすローソンアバター
1点目の「アバターを活用した誰もが活躍できる店舗づくり」は、人手不足対策と店舗の省人化に資する取り組みだ。具体的には、
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