ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/藤田元宏社長、以下:U.S.M.H)傘下のカスミ(茨城県/山本慎一郎社長)が2022年1~2月に立て続けに2店舗をオープンした新業態「BLANDE(ブランデ)」。食と健康の専門性を追求したMD(商品政策)とデジタル活用を掛け合わせた同業態は、業界関係者の注目を大いに集めた。本稿ではブランデの売場づくりと、導入されているデジタル関連の施策を見ていく。
1号店は「ウエルシア薬局」と融合!
現在ブランデは、1号店として22年1月28日にオープンした「つくば並木店」と、同年2月17日に開業した「研究学園店」の2店舗からなる。「まずは出店立地を確保し、そのうえで商圏に求められるカテゴリーや機能を付加する」(同社広報)という方針から、2店の売場づくりの方向性は異なる。
まず1号店の「つくば並木店」は、つくばエクスプレス「つくば」駅から北西約4.5㎞、常磐自動車道「桜土浦」インターチェンジからほど近くの住宅街の一角に立地する。同店の特徴は、「食と健康美」をテーマに、同じくイオン(千葉県)グループのDgSであるウエルシア薬局(東京都/松本忠久社長)と「融合」した店舗開発を行っている点だ。
カスミは19年から計10店でウエルシア薬局の商品を日用雑貨売場で扱う実験をしており、その結果、同売場の売上高が平均約50%も伸長する効果が出た。そこでつくば並木店の出店にあたってカスミからウエルシア薬局にテナント出店を要請し、「食」と「健康」の両軸の専門性を高める新フォーマットの構築を図った。
店舗レイアウトは、ウエルシア薬局の売場を、カスミの売場で囲むように店内中央部に配置して一体感を出した。全体の売場面積2353㎡のうち、ウエルシア薬局の売場は495㎡で、一般用医薬品、コスメ・化粧品、オーラル、ペット用品などを販売するほか、処方せん薬局も設置する。取り扱う商品はカスミとウエルシア薬局でそれぞれ約1万SKUの合計約2万SKUと、カスミとしては最大規模だ。決済は医薬品を除いてカスミの集中レジで行う。
「顧客とのコミュニケーション」を重視した2号店
一方、2号店の「研究学園店」は、つくばエクスプレス「研究学園」駅から約1.5㎞北西に出店。つくば並木店のようなDgS併設型ではなく、
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