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Google Cloud 、トランスフォーメーション クラウドの戦略とビジョンを発表

グーグル・クラウド・ジャパンの主催する年次イベント「Google Cloud Day: Digital’21」が5月25日~27日にオンラインで開催された。今回のデジタル カンファレンスでは、急速に変化する世界でクラウドを活用し、デジタルトランスフォーメーション(DX)を実現している先進企業の取り組みが紹介された。

基調講演では活用事例を紹介

 基調講演には、ファーストリテイリング、NTTデータ、LIXIL、ウーブン・プラネット・ホールディングス、エムスリー、日本ヒューレット・パッカードがクラウドを活用していかにビジネスを成功させているのかが紹介された。

グーグル・クラウド・ジャパン代表 平手智行氏

 グーグル・クラウド・ジャパン合同会社 日本代表の平手智行は、基調講演において「多くの企業がクラウドを採用するようになってきたが、企業の変革には至っていない。新しいテクノロジーの要件が求められており、その要件を満たすのがトランスフォーメーション クラウドであり、企業のDXを加速させる」と語った。

 Google Cloud では、パブリック、プライベート、ハイブリッド、マルチクラウド、エッジクラウドなどの「オープン クラウド」、大規模な分析やビジネス インテリジェンスを実現する「データクラウド」、生産性やコラボレーションを実現する「ピープル クラウド」、企業の成長に合わせて拡張性のある保護を提供する「トラステッド クラウド」の4つのクラウドを提供し、小売業、金融サービス、製造業などさまざまな業界において、企業の変革を支援していく。

小売業との協業は?

 小売業ではファーストリテイリングがGoogle Cloudとの協業強化により、情報製造小売業への変革を加速している。ユニクロやGUなど8つのブランドを、全世界約30カ国3500店舗およびeコマースで展開するファーストリテイリングは、従来のアパレル業から「情報製造小売業」への変革を目的とした「有明プロジェクト」を加速・推進している。2018 年より、機械学習や人工知能(AI)を活用した新しい顧客体験の提供や業務プロセス改革の実現を目指し、Google Cloud と協業を進めている。

 これまでカスタマー センターにおいては Google Cloud のContact Center AI を導入し、AI を生かした顧客対応を実践。着こなし発見アプリ「StyleHint」では、Google Cloud の画像認識・データ解析技術を活用し、新しい購買体験を創造する取り組みを進めている。
StyleHint では、Cloud Vision API を使用することで、顧客がお気に入りのコーディネートから商品を素早く検索し、購入することができる。2020 年にはアプリと連動した売場「StyleHint原宿」を出店し、現在StyleHint の世界展開を進めており、新しい購買体験の提供をグローバルに展開していく計画だ。

 さらにGoogle Workspace を使い、世界中の店舗からリアルタイムに顧客や店舗スタッフの声を集め、BigQuery で分析することを通して、新しい商品やサービスの開発につなげる取り組みを進めている。また、これらの情報を Google Cloud の AI チームと進めている需要予測に組み込むことで、より精度高く需要を予測し、「無駄なものをつくらない、運ばない、売らない」というサプライチェーンの実現を目指している。

ファーストリテイリングはGoogle Cloudとの協業をさらに強化

ファーストリテイリング グループ執行役員 田中大氏

 ファーストリテイリング グループ執行役員 田中 大氏は、「AI は当社のこれからのビジネスにとって、なくてはならない技術です。効果的に活用することで、お客様により良い商品、より良いサービスを提供できると考えています。Google Cloud とのパートナーシップを強化・推進し、AI を最大限活用することで、世界中のお客様に、より良い形で LifeWear(究極の普段着)をお届けしていきます。」と語り、「情報製造小売業」への変革をさらに加速していく。