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ナイキ、オイシックスの成功事例にみる「デジマの達人になるための3カ条」を大公開!

流通業界のデジタルマーケティングに詳しいD2C dotプロデュース1部 プランナー/プロデューサーの菅原太郎氏によれば、デジマの成功事例には共通点があり、そこからデジマを的確に進めるコツを学ぶことができるという。そこで、菅原氏に、「デジマの達人になるための3カ条」として、デジマの成功の法則を教えてもらった。

ネットで大きな話題になったオイシックスのメディア活用

 デジタルマーケティングの最近の成功事例には共通点があると、菅原太郎氏は指摘する。「例えば、、“いつ”、“どこで”、“誰が”、なにを言うかということが挙げられます。3拍子が揃った販促企画だったからこそ、インターネットでも評判となり、ブレークしたわけです」。

 菅原氏に、いくつかの具体例を紹介してもらおう。まずは、米国のグローバル企業の代表であるナイキ。ブランドスローガンである「ジャスト・ドゥー・イット」の30周年広告企画のキャラクターとして、元NFLのスーパースター選手のコリン・キャパニック氏を起用、世界的にも大きな反響を呼んだという。

「彼は、米国のスーパースターではありますが、トランプ政権の人種差別的な政策に抗議するため、試合のときの国歌斉唱で片ひざをつき、物議をかもした人物でもあります。ところが、キャパニック氏のそうしたブレない姿勢が、“ジャスト・ドゥー・イット”というナイキのスローガンに、マッチしたというんですね」。

 ナイキは“「ジャスト・ドゥー・イット」の30周年に、ナイキ・サンフランシスコ店(サンフランシスコはコリン・キャパニックが所属していたサンフランシスコ・フォーティナイナーズの本拠地)で、 キャパニック氏を起用して、“ Believe in something, even if it means sacrificing everything. (何かを信じろ。たとえ、それが全てを犠牲にするとしても)という強烈なメッセージ性を打ち出す広告を展開。「これはナイキ自らが“「ジャスト・ドゥー・イット」というスローガンを体現するキャンペーンであると言えます」(菅原氏)。

 日本の小売業については、菅原氏は、オイシックスの例を挙げた。

オイシックス・ラ・大地が運営する「Oisix」は、「クレヨンしんちゃん」と コラボレーションし、夏休みを終える全国のお母さんに向けたメッセージを8月26日(月)~9月1日(日) の1週間限定で、春日部駅に交通広告を掲載した

「子どもが夏休みになると、逆に、お母さんは忙しくなります。そこで、『クレヨンしんちゃん』とコラボレーションをして、8月に埼玉県春日部市で、『かあちゃんの夏休みはいつなんだろう?』と問いかける広告キャンペーンを打ったんです。SNSでは、ツイッターの『リツイート』が約10万、『いいね』が約35万と大きな話題になってようです」。

 オイシックスの意図は、「忙しいお母さんを応援する」ため、宅配の食材キットの活用を促すということだろうが、“夏休み”に“クレヨンしんちゃん”が地元の“春日部市”で「お母さんを気遣った」というわかりやすいストーリー性が、ネットユーザーに刺さったのだ。

デジマの達人になるための3か条とは!?

 これまでにさまざまなデジマの成功事例を紹介したが、菅原氏は、「そこにデジマの必勝パターンを見出すことができます」と、力強い言葉を発した。そこで菅原氏に、「デジマの達人になるための3カ条」を伝授してもらうことにしよう。

 第1条は「デジマの成功の法則を見つける」ということ。菅原氏は、「複数の成功事例から客観的なデータを集めて、分析することです。前述のように、販促企画では“いつ”、“どこで”、“誰が”、なにを言ったのか、という要素を調べれば、共通点が見えてくるはずです」。

 データを分析する際、菅原氏が勧めるのは、「Yahoo!リアルタイム検索」というネットサービス。「ネット上で、どんなキーワードが、いつ、どのくらい話題になったのかという履歴がトレースできる機能なんですね」。また、日本マクドナルドのような「デジマの優等生」を定点観測し、“お手本”にしてもいいという。

 第2条は「シナリオを自分で考えてみる」ということ。これまで見てきたように、デジマの“サクセスストーリー”の裏には、計算されたシナリオが付き物。そうしたシナリオから、仕掛け人のノウハウを学ぶことができる。

 「まず情報の発信方法を体得しましょう。成功事例の研究で『いいな』と思ったプレスリリースがあったら、マネして自社用を作成してみましょう。ストーリーが伝わりやすいかどうかを、自分で客観視できます。まわりの人に評価してもらってもいいと思います」。

 第3条は「トレンドワードに敏感になる」ということ。菅原氏は、「毎日、朝・昼・晩にネットをチェックする習慣をつければ、苦になりません。余裕があれば、ネット上の自社の評判も一緒にチェックしましょう」と勧める。

小売業はリアル店舗自体がデジマのメディアになる

 ただし、逆説的なようだが、菅原氏は「デジマに頼り過ぎない」ということを、デジマの達人の心得に付け加えた。

 「デジマだけで業績アップを図ろうとするのは、無理があります。例えば、ターゲットの年齢層によっては、新聞広告でまず情報を発信したほうが、情報が拡散しやすいケースもあります。ネットのほかにも、さまざまなメディアがあるので、それらを上手に使い分けたり、あるいはネットと併用したりするべきでしょう」。

D2C dotプロデュース1部 プランナーの菅原太郎氏

 もう一つ、小売業やサービス業は、“リアルの店舗”自体が、デジマのメディアになってしまうことをお忘れなく。「例えば、店内のクリンネスが杜撰だったり、接客が悪かったりすると、顧客のSNSなどを通じて、悪評が一人歩きしてしまうことがよくあります。逆に、かつやのようにサービスレベルが高い店舗は、顧客がいい評判を流してくれることもあります。SNSのアカウントなどから話題作りをするのもいいですが、まず足元の店舗から固めるべきではないでしょうか」と、菅原氏は注意を促した。