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Retail AIの「次世代型スマートショッピングカート」を体験! その新たな機能と買物に与える革新とは

3月1日から4日まで、東京都江東区の「東京ビッグサイト」で開催された、第38回流通情報システム総合展「リテールテックJAPAN」。数多くの企業が展示ブースを開く中、ひときわ目を引いたのが、トライアルホールディングス(福岡県/亀田晃一社長)傘下のRetail AI(東京都/永田洋幸社長)が打ち出す、「次世代型スマートショッピングカート」だ。次世代型の新たな機能を、現地で確かめてみた。

1時間あたりの通過人数はセルフレジの約4倍!

「スマートショッピングカート」は、ショッピングカートにタブレットとハンドスキャナーを搭載した、セルフレジ機能付きの買い物カートだ。お客は、陳列棚から商品を取り、タブレットの横に取り付けられたハンドスキャナーにかざし、商品を登録する。商品をカート内のカゴに入れ、スマートショッピングカートと連動したゲートから店を出ると、トライアルプリペイドカードから自動的に決済される。つまり、レジに行くことなく、商品をカゴにいれたまま買い物を完結させることができる。

旧型スマートショッピングカート。タブレット横に搭載されたハンドスキャナーで商品をスキャンする。

スマートショッピングカートの利用により、①レジ待ちの時間を大幅に削減できる②買い物の合計金額がタブレット上で表示されるので、今いくら使っているか一目でわかる、というメリットがある。

Retail AIは、2018年に「スマートショッピングカート」を実店舗ではじめて導入。これまで「トライアル」を中心に、58店舗に6019台導入しており、月間ユーザー(MAU)約120万人、利用率43.9%と多くのお客に利用されている(2021年12月時点)。同社SSC事業責任者の田中晃弘氏は「特に、レジ待ち時間が削減されることから、『買い物がスムーズになった』という声をいただく」と反響の大きさを説明する。

事実、スマートショッピングカートの導入店舗では、レジ人時(1時間あたりに必要なレジ業務の人員)が平均20%削減され、ゲートの1時間ごとの通過人数は既存のセルフレジと比較すると、平均約4倍に増えたという。お客にとっては、買物にかかる負担が軽減されるのはもちろん、店舗にとっても、お客の回転率を向上させられるという店舗運営上の利点がある。

「コロナ禍で『できるだけ人との距離を取りたい』と考えるお客様も多い。スマートショッピングカートを使うことで、レジ前にて『密』にならずともお買い物ができる。さらに、店舗からも、売上が上がりレジのオペレーションコストを削減できることから、導入を望む声が多かった」(田中氏)

ユーザーの声を反映した次世代型の特徴

スマートショッピングカートの好調ぶりを受け、新たにリリースしたのが「次世代型スマートショッピングカート」だ。3月8日、「スーパーセンタートライアル田川店」に140台導入された。旧型と次世代型の大きな違いは、ハード面では、カートにバーコードリーダーが取り付けられた点だ。旧型では、手でスキャナーを持ち、商品をかざしてカゴにいれる必要があった。一方、次世代型ではタブレットの下にバーコードリーダーが搭載されている。次世代型のバーコードリーダーは旧型のハンドスキャナーに比べて、商品を読み取る範囲が広い。また、ハンドスキャナーを手に取る手間が省かれるため、次世代型では旧型よりもスムーズに買い物ができる仕様に改善した。

左:次世代型、右:旧型。次世代型にはタブレット下にバーコードリーダーが搭載されている。

さらに、次世代型ではカートに買い物かごを2つとりつけることが可能になった。トライアルでは郊外や地方の店舗で飲料水などを、ケース買いをするお客も多く、そうしたニーズに対応するために搭載可能な買い物かご数を増やした。また、次世代型は、旧型と比較すると機体の約4分の1軽量化されていて、操作性も向上されている。

商品のスキャン漏れを防止する自動検知アラーム装置を取り付けたことも、次世代型スマートショッピングカートの大きな特徴だ。購入したい商品をうまくスキャンできなかった時、タブレットに「商品のスキャン忘れはありませんか」という案内が表示される。旧型においては、故意によるものだけではなく、「うっかりミスによる商品スキャン漏れ」への対策も大きな課題となっていた。次世代型の導入により、これらの行為に由来する「商品の棚卸時の原因不明のロス」という店舗オペレーション上の課題を解決しようとしている。

商品をスキャンし忘れた際に表示される案内。

新カート導入のスマートストアが山口県でオープン

RetaiAIは、IoT機器やAI技術の導入により、効率的な店舗運営を可能にする「スマートストア」というコンセプトをリアル店舗で実現することを目指している。スマートショッピングカートだけでなく、「AIカメラ」も、同社が開発したユニークな技術だ。AIカメラは、商品棚の監視や、お客の店内の動線分析を行うカメラソリューション。商品の陳列状況や棚欠品率、平台充足率、お客がサイネージを見る行動の頻度など、店舗とお客のあらゆるデータを取得し、「お客が欲しいときに欲しいものを買える」売場をつくる手助けをする。

この、「AIカメラ」と「スマートショッピングカート」を同時に導入するトライアルの店舗は「スマートストア」と呼ばれ、既に九州、東海、関東、北海道などで出店している。

3月11日には、山口県で初となるスマートストアが、「スーパーセンタートライアル際波店」がオープンした。同店では次世代型スマートショッピングカートを約100台、AIカメラを約40台導入し、お客の買い物体験の向上を図る。

リアル店舗に革新をもたらす新技術を導入し続けるトライアル。「次世代型スマートショッピングカート」は、「リテールテック」の名にふさわしい、これからの小売業を体現する展示だった。