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サツドラが目指すDXを通じた小売業と地域の新たな価値創造

サツドラが目指すDXを通じた小売業と地域の新たな価値創造

サツドラホールディングス株式会社
代表取締役兼CEO
富山 浩樹 氏

 

店舗アップデートと地域戦略を推進

サツドラは1972年にサッポロドラッグストアーとして創業し、来年で創業50周年となる。中核のサツドラを北海道中心に193店舗展開し、沖縄、台湾にも出店している。食品、日用品も扱い総合型店舗を標榜している。グループで共通ポイントカード「EZOCA」を運営している。会員数は約200万人で120社約700店舗が加盟するなど、地域プラットフォームとして活動している。この2つを軸に小売と地域を組み合わせた事業戦略を展開している。この店舗のアップデートと地域戦略の推進を新たなOSとしてDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進していきたい。今掲げているビジョンは「ドラッグストアビジネスから地域コネクテッドビジネスへ」である。

北海道に限らずヒト・モノ・カネ・データ・ブランドが域外に流出している状況だ。それらが地域に向かうように継続的かつ有機的に意味のあるサービスを提供していきたい。そのためにはデジタル・テクノロジーの活用が必須となる。

デジタルトランスフォーメーションの課題

システム連携のボトルネック解消でクラウドPOS開発

サツドラのDX推進は、内製と外部連携・協業、推進体制・組織の整備、人の育成・文化の醸成といった4象限を組み合わせている。推進体制や内製化で言えばリアルタイムクラウドPOSの自社開発や基幹システムのクラウド化、iPodを使った商品期限チェック、AIカメラによる顧客・店内分析などが挙げられる。クラウドPOSについてはグループ企業としてグリットワークスを設立して外販にも乗り出している。

このクラウドPOSの開発がDX化のスタートと言えるかもしれない。実はEZOCAの共通ポイントをサツドラに展開しようとしたときにPOSがボトルネックとなった。そこで内製化に踏み出したわけだ。やりたいことができない要因が、外部にPOSや基幹システムの開発を委ねていること。やりたいことをやるためにクラウドPOSは必要だった。開発に時間もかかったが、DXを進める時の武器になっている。

グループ戦略としてのIT化/DXの推進

外部連携・協業と組織整備ではリテール向けAIソリューションの導入やAI×デジタルサイネージの実証実験、プロジェクト単位での協業推進、企業コミュニティ事業の推進を図っている。エッジAIを開発するアウルはサツドラグループから独立した企業で、現在でも資本提携関係にあるアウルのエッジAI技術は防犯映像を一元管理する機能に加え、エッジAI技術によるAI機能実装を低価格で実現した。自社でも防犯機能を軸に、約80店に導入している。

また、「リテールメディア」での領域においても、サイバーエージェントを加えた3社でサイネージを使った広告効果の最適化を図る取り組みを進めている。さらに小売(Retail)と地域(Region)の未来を創造するボーダレスなコミュニティを作るために設立したのがR×Rイノベーション・イニシアチブであり、海外企業とも提携しており、9月からこのコミュニティでしか得られない海外小売のレポートを提供するメディア事業を中心に本格的に事業を開始した。大企業からベンチャーまで国内の多くの企業から参画の問い合わせが増えている。

北海道での人材育成・教育事業にも注力

内製と人の育成・文化の醸成の領域では、社内報のWEB化、対外発信の従業員の巻き込み、積極的なトップからの発信、社内コミュニケーションツールのIT化に取り組んでいる。さらに外部連携・協業と人の育成・文化の醸成の領域では北海道人材育成・教育事業の開始、北海道人材育成プラットフォーム構想、新本社への移転などが含まれる。デジタルハリウッドと共同で起業家エンジニア養成コミュニティを立ち上げたり北海道スタートアップ・エコシステム構想を進めたりしている。そういうこともベースに成長の場作りにも取り組んでおり、その一環で20年9月に新本社に移転した。
我々の場合、小売だけでなく地域もテーマとしている。地域自体をハブとして変えていく。ここで生まれた仕組みを外に出して日本を、世界を変えていきたいと思っている。そのためにはデジタル・テクノロジーの活用が不可欠になってくるし、やりたいことができる可能性が高まったと感じている。

サツドラのDX推進のアプローチ

各プログラムの詳細

下記画像リンクから、各プログラムの詳細をご覧いただけます。