埼玉県を本拠とするベルク(原島一誠社長)とヤオコー(川野澄人社長)はそれぞれ、「クルベ」「フーコット」の名称でディスカウント型の食品スーパー(SM)を展開している。
1号店の出店から前者は約1年半、後者は3年半が経とうとしている。あらためて店舗を調査し、売場や商品の変化、利用動向などを分析したうえで、今後の展開を占ってみた。
クルベ江木店
安さに「楽しさ」加え、買物に「熱狂」を生み出す
通常フォーマットの旧店舗を改装し、「クルベ」1号店として23年7月、群馬県高崎市にオープンした「江木店」。
調査に訪れたのは開店直後の平日10時過ぎだったが、すでに平置きの駐車場はほぼ満車の状態で、売場は多くのお客でにぎわっていた。筆者はオープン間もないころに訪店して以来だったが、当時の集客力をそのまま維持できている点に驚かされた。

●所在地: 群馬県高崎市江木町75
●開店日: 2023年7月29日(リニューアル)
●営業時間: 10:00~20:00
売場に入ると、入口付近に配置したカゴ台車で節分用の豆菓子を数種類(99円~)展開して季節感を演出。そこから青果の第1平台に目を移すと、今度は季節を先取りして「茨城県産とちおとめ」(1 パック559円)をはじめお手頃価格のいちごが並ぶ。
お客はこの時点ですでに、クルベが訴える「安さ」と「買物の楽しさ」を実感できるのだ。
さらに売場全体を見渡すと、「仰天 !?円」とあえて価格を表記しない大型POPが目に入る。そこへ近づくと、「レタス」(1玉259円)、「ほうれん草」(1束159円)など、相場高騰下で価格インパクトのある商品がぎっしりと陳列されている。
続く精肉も、「国産若鶏もも肉」(100g89円)、「同 むね肉」(同54円)、「国産黒毛和牛ロースステーキ用」(同499円)など圧倒的な安さで提供する。
対向部のゴンドラには
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