この1年は、新型コロナウイルスが感染症法上「5類」に移行し人々の活動が活発化するなか、需要を取り込むべくさまざまな専門店が登場した。本稿では、ストア・オブ・ザ・イヤー「専門店部門」の上位5店舗を発表。独自の品揃えで顧客の心をつかんだ店が上位にランクインしている。
専門店部門
ハンズマンの本州1号店、圧巻の品揃えに称賛
専門店部門で第1位に輝いたのは、ハンズマン(宮崎県/大薗誠司社長)が2023年10月に、ショッピングセンター「イオンタウン松原」内にオープンした「ハンズマン松原店」(大阪府松原市)だ。ハンズマンは九州地方で11店舗を展開し、顧客目線の店づくりと豊富な品揃えで人気を集めるホームセンター(HC)企業だ。九州外への出店は初で11年ぶりの新規出店となった。
同店の特徴は、ハンズマン最大となる約6000坪の売場面積を生かし、既存店より5万SKU多い約28万SKUの品揃えを展開している点だ。今後、大阪の地域ニーズに合わせてラインアップを拡大予定で、40万SKUを扱える余地を残している。従業員も既存店の約2倍の約200人を配置し、商品知識を学ぶ研修を実施しハンズマン流の「手厚い接客」を提供する。
売場づくりでは、本館は一目で売場全体を見渡せるように吹き抜け空間を採用。カラーコントロールされたディスプレイや、中身の見えない商品の色味も確認できる商品陳列などで、圧倒的な品揃えを訴求するとともに、来店客が商品を選びやすいように工夫する。
商品は世界各国から直輸入し、大手ECサイトでしか販売されていないような商品も揃える。大薗社長は「在庫の約7割が死に筋だが、品揃えへの驚きが来店動機と信頼につながる」と説く。ハンズマンの戦略を具現化し来店客に感動を与える店づくりに多くの票が集中した。
第2位は成城石井(神奈川県/原昭彦社長)が23年4月にオープンした新業態「成城石井ベーカリー」(大阪府大阪市)だ。ベーカリー・パン部門は同社で高い売上高構成比を占め、顧客にファンも多いことから、パン・焼き菓子をメーンに取り扱う専門店を開発したかたちだ。高品質ながら値打ち感のある商品を提供するために、店内で仕込む生地に加え、セントラルキッチン製の生地、直輸入の成型生地も活用して、店内作業を簡略化し人件費を抑えている。投票では洗練された店舗空間や商品力を評価するコメントが多くあがった。
第3位は
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。