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我孫子市初出店! 「ヤオコー天王台店」の売場づくりを徹底解説

ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)は7月29日、千葉県我孫子市に「ヤオコー天王台店(以下、天王台店)」をオープンした。先週の「ふじみ野大原店」(埼玉県ふじみ野市)に続く、2週連続の新規オープンで、我孫子市へは初の出店となる。今期6店舗目の出店となる同店ではどのような売場づくりをしているのか。

ヤオコー天王台の外観

ドミナント間の空白地帯に新規出店! 

 ヤオコーが7月29日にオープンした天王台店は、JR常磐線「天王台」駅から直線距離で約180mの場所にある。駐車場だった土地に新設した店舗で、周辺はワンルームマンションが建ち並ぶ住宅街が広がる。

 ヤオコーにとっては我孫子市初出店となる天王台店。千葉県の北西部に位置する我孫子市は茨城県との県境にあり、常磐線に沿って北上し、利根川を渡った先は茨城県取手市となる。一方、その反対側、我孫子市の南西は柏市と隣接している。ヤオコーは、柏市に「柏若葉町店」「モラージュ柏店」など4店舗、取手市には「取手戸頭店」「取手青柳店」など3店舗をすでに展開しており、天王台店は柏エリアと取手エリアのドミナントを結ぶ“結節点”に位置する。両エリアのドミナント間の空白地帯に出店することで、周辺エリアのシェアを高める考えだ。

 売場面積508坪と、標準店と比べるとやや小ぶりな天王台店。売場レイアウトは、入口から入ってすぐの主通路に青果・鮮魚・精肉を集めており、日配は青果と鮮魚の“つなぎ”の位置ではなく、店舗奥側の主通路壁面に配置。主通路上の島陳列も少なく、店舗奥側コーナーで展開するワイン&チーズコーナーも設けていない。取り扱いSKU数は約1万1640と、先週オープンの「ふじみ野大原店」(売場面積650坪、取り扱いSKU数1万4150)と比べて少ないものの、ヤオコーの標準的な商品政策(MD)はほぼ導入されている。初年度年商目標は16億円で、売上高構成比は生鮮が35.5%、デリカが15.2%、グロッサリーが49.3%で生鮮4部門が約半分を占める見込みだ。

注目の生鮮売場をレポート!

 ここからは主要部門の売場を見ていこう。入口近くで展開する青果売場では、最前面で「らいでんメロン」(1玉798円)、岩手県産のキュウリ(1本22円、5本99円)を訴求。平台1~2列目では、幸水梨や桃、スイカなど色とりどりの夏の旬果実を並べていた。

入口付近の青果売場

 続く鮮魚売場では、地域一番の鮮度と品揃えをめざし、近海魚の丸物や各種切り身を充実させている。オープン日は「土用の丑の日」の翌日ということもあって、平台冷蔵ケースで国産・輸入ウナギを売り出していた。

近海魚を豊富に揃える鮮魚売場

 精肉売場では、焼肉の提案に力を入れており、「牛肩ロース」や「モモ焼肉用」といった定番メニューに加え、牛シマチョウなど内臓肉も豊富に揃える。オープン日は黒毛和牛ロース、サーロインステーキ用の半額セールを実施しており、売場には人だかりができていた。

スイーツコーナーに「マリトッツォ」が登場

 店舗奥側主通路沿いでは、日配売場を展開。注目すべき商品政策としては、麺コーナーで有名ラーメン店のチルド麺を充実させている。「柏~我孫子エリアは有名ラーメン店が多く、天王台駅周辺にも行列店がある。そうした地域性を考慮した商品政策だ」とヤオコー広報は説明する。

有名ラーメン店のチルド麺を豊富に揃える

 注目の総菜売場は、店舗正面から見て左ゾーンで展開する。基本的なMDは先週オープンのふじみ野大原店と同じで、名物商品の「手握りおはぎ」を平台エンドで大きくアピールするほか、「限定得々握り」(22貫入り980円)など開店記念商品を訴求していた。

 注目商品としては、スイーツコーナーで販売する「マリトッツォ」(198円)が挙げられる。SNSや各種メディアで人気のスイーツをいち早く取り入れた、ヤオコーの高い商品開発力が垣間見える商品だ。

話題スイーツの「マリトッツォ」を販売

 2022年3月期は、9店舗(単体)の出店を計画するヤオコー。上半期の出店はこの天王台店がラストとなり、残りの3店舗は下半期になる見通しだという。「無印良品」と共に出店する「和光丸山台店(仮称)」(埼玉県和光市)など下半期は大型店の出店も予定される。また、来週には新業態「フーコット」の1号店がついにオープンする。前出の「マリトッツォ」のように、ヤオコーは旗艦店だけではなく、レギュラー店の新規出店においても常にMDを進化させている。次の新店ではどのようなMDが見られるか。ヤオコーの新店のMDは欠かさずチェックしたいところだ。

(店舗概要)
店名 ヤオコー天王台店
開店日 2021年7月29日
店長 豊田一幹
営業時間 9:00~21:30
店舗面積 1682.1㎡(508坪)
駐車台数 76 台
駐輪台数 93 台
取り扱いSKU数 約1万1640 SKU
年商目標 16億円(初年度)
従業員数 正社員18人、パート・アルバイト129人(延べ人数)