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食材の量り売りを初導入!関東圏最大の売場面積を誇る「無印良品東京有明」の食品売場をレポート

良品計画(東京都/松﨑曉社長)は2020123日、東京都江東区に「無印良品 東京有明」(以下、東京有明店)をオープンした。売場面積は4628.75㎡で、194月開業の「無印良品 銀座」(東京都中央区:以下、銀座店)を超える関東圏最大の広さを誇る店舗だ。本稿では、東京有明店の食品売場を中心に解説する。

無印良品 東京有明

87種類の食材を量り売りで提供

 東京有明店が出店したのは、206月にグランドオープンした「有明ガーデン」。食品スーパーの「イオンスタイル有明ガーデン」をはじめ、アパレルなどの各種専門店や高層マンション、劇場、ホテル、温泉施設などで構成されている、住友不動産が開発した大型商業施設だ。東京有明店は、有明ガーデンのモール&スパ棟の13階に出店しており、食品売場は1階に位置する。

 東京有明店の食品売場の取り組みで注目したいのは、同店で初導入した食材の量り売りだ。個人によって、状況によって食べる量、使う量は異なるという考えから導入したもので、パスタやコーヒー豆、米、菓子など87種類の食材を量り売りで提供する。

東京有明店で初めて導入した食材の量り売り

 利用方法は簡単で、食材を専用の紙袋に詰めてはかりに載せ、商品番号を選び、出力されたラベルを袋に貼るだけだ。「ピスタチオ 塩味」(10g当たり50円:以下、税込)、「ドライフルーツミックス」(同20円)など、グラム当たりの価格は商品によって異なり、20g以上から1g単位で購入可能となっている。「個人に適した分量を購入できるため、結果的にフードロスの削減につながる」(売場担当者)。

量り売りを利用する際は専用のはかりを使用し、出力されたラベルを袋に貼る

 ベーカリー売場では、商品数を銀座店のほぼ2倍に相当する約30アイテムに拡大した。銀座店で好評だった「ロールパン」(90円)などのほか、ターメリックを練りこんだ生地にキーマカレーを詰めた「カレーパン」(240円)を新発売する。また、今まではベーカリー売場に屋号がなかったが、今回から屋号を「MUJI Bakery」とし、ベーカリーを展開している既存の4店舗でも同様の屋号に改める。

ベーカリー売場では、商品数を銀座店の約2倍に拡大している

4種類のお茶をテイクアウトで販売

 銀座店でも導入した「ブレンドティー工房」では、32種類のオリジナル茶葉を量り売りで提供するほか、東京有明店初の試みとして、季節ごとに4種類のお茶をテイクアウト方式で販売する。取材時は「りんごルイボス」「バニラほうじ茶」(いずれも280円)などを取り扱っていた。

「ブレンドティー工房」では、32種類のオリジナル茶葉を量り売りで提供する

 銀座店のほか、複数の店舗でも展開している青果売場では、生産者から直接仕入れた旬の食材を約50種類販売する。取材時は、サラダや浅漬けとして食べられる「オレンジ白菜」(210円)をおすすめ商品として紹介していた。また、青果売場に併設したキッチンカウンターでは、朝食や夕食のメニューを「今日のこんだて」として、健康的な食生活をサポートするレシピ提案を行う。

青果売場では、生産者から直接仕入れた旬の食材約50種類を販売する

 そのほか、無印良品でおなじみの飲食店「Café & Meal MUJI」や、銀座店でも導入した「ジューススタンド」を展開。また、1階では食品以外に、無印良品では初めて観葉植物などの「グリーン」売場を設けた。既存店でも商品の販売はしていたが、大きくコーナー展開するのは東京有明店が初となる。約300種類の植物を取り扱っており、これまでは鉢と植物はセットになっていたが、同店では好みに応じて選べるように別売りで販売する。

1階では食品のほか、約300種類の観葉植物を取り扱う「グリーン」売場を設けた

 東京有明店では食品売場以外でも、「空間を売る」をテーマに、インテリア相談や掃除サービス、リフォーム相談、DIYの手助けなど、新たな試みをたくさん導入している。良品計画の金井政明会長は、オープン前の内覧会で「今後は(人口の多い)政令指定都市に東京有明店のような店舗をつくっていきたい」とコメントしており、同店での施策の成果が、今後の無印良品の大型店舗の出店に大きく影響するとみられる。