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サミットストアテラスモール松戸店、店内の横長大型ディスプレイがスーパーの店内販促を変える!

サミット(東京都/竹野浩樹社長)は1024日、千葉県松戸市に同日オープンしたショッピングセンター(SC)「テラスモール松戸」に「サミットストアテラスモール松戸店」(以下、松戸店)をオープンした。売場面積は約600坪で、201719年度の3カ年の中期経営計画「創革2019」で同社が取り組んできた「新しい店づくり」の集大成となる店舗だ。

サミットストアテラスモール松戸店

「地元愛」が強い松戸市民に向け地域商品を強化!

 松戸店はJR常磐線・武蔵野線「新松戸」駅から直線距離で南東約1.4㎞の場所にある。店舗の前には国道6号線につながるけやき通りが南北に通っており、車で来店しやすい立地となっている。

 生鮮3部門と総菜・ベーカリー売場を中心に、店内の売場を写真とともに見ていこう。入口すぐの青果売場では、松戸市内や千葉県各地で収穫された地場野菜のコーナーをサミット最大規模の15尺で展開する。これは事前調査により判明した、松戸市民は地元への愛着が強いという商圏特性を考慮したためだ。

サミット最大規模の地場野菜コーナー

 このほかローカル色を打ち出した施策としては、冷凍食品売場そばで地元メーカーが製造したカステラや海苔、地酒などの地域商品を展開している。

地元愛が強い松戸市民に向けローカル商品を集積した

 鮮魚売場では、鮮魚部門が仕入れた新鮮な素材を使用して店内製造した「にぎり寿司」に加え、松戸店では「炙りにぎり寿司」も新たに展開する。

松戸店から新たに発売した「炙りにぎり寿司」

部門を超えた売場づくりに注力

 精肉売場では、肉総菜の「グリルキッチン」コーナーで「デミグラスハンバーグ(国内産牛豚使用)」(258円:以下、税抜)や「【国内産】若どりももトマトチーズ焼」(100g当たり198円)などを新商品として投入。そのほかレンジアップ商品や鍋セットなどの簡便商品を集積し、お客が買い回りしやすいようにしている。このうち鍋セットでは、鮮魚部門の素材を使用したものもまとめて精肉売場で展開し、メニューの選択肢の幅を広げた。

新商品の「【国内産】若どりももトマトチーズ焼」

 総菜売場では、揚げ物を中心とした温総菜を拡充し、島陳列で展開する。また、精肉部門の「レンジで簡単 お肉屋さんのボロネーゼ」や青果部門の「レンジで簡単 フレッシュトマトのナポリタン」(いずれも398円)など、生鮮各部門が店内製造したレンジアップパスタは、松戸店オープンの約2週間前に改装した「シーアイハイツ和光店」(埼玉県和光市)での取り組みを踏襲し、部門を超えて総菜売場の冷蔵ケースで展開する。

総菜売場では、生鮮各部門が製造したレンジアップパスタを冷蔵ケースでまとめて展開する

 ベーカリー売場では「パニーニ(ベーコン&トマト)」(180円)や「ショコラ」(160円)などの総菜パンや菓子パンのほか、窯焼きピッツァやサンドイッチ、100円の均一価格で提供するスイートドーナッツなど、豊富な品揃えを展開する。

ベーカリー売場では豊富な品揃えを展開

「創革2019」の集大成

 サミットにとって、松戸店出店の意義は大きく分けて3つある。1つ目は、同社にとって出店が少ない千葉県内で旗艦店としての位置づけの店舗を出店できたことだ。サミットは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県で合計115店舗(1910月時点)を展開しているが、そのうち82店舗が東京都で、千葉県では今回の松戸店を含めて5店舗のみとなっている。サミットとしては、松戸店を千葉県における旗艦店とし、同じく松戸市内にある「松戸新田店」とともに認知度を高め、千葉県でのシェアアップを図りたい考えだ。

 2つ目は、11年にオープンした「テラスモール湘南店」(神奈川県藤沢市)に続いて、約8年ぶりにSCへの出店を実現したことだ。ここ23年は都心部を中心に300坪規模の小型店の出店が多かったサミットだが、一方で「SCへの出店もかねてからねらっていた」(竹野社長)という。小型店よりも売上効率がよい600坪規模の標準店を今後郊外に出店するにあたり、SCでの出店経験を重ね、出店の幅を広げたい考えだ。テラスモール湘南店に続き、松戸店でもSCの核テナントとしての経験やノウハウを蓄積し、「今後は新規オープンやリニューアルを問わず、SCへの出店も積極的に取り組みたい」(竹野社長)とのことだ。

テラスモール松戸

 そして最も大きいのが3つ目で、1719年度の中期経営計画「創革2019」で取り組んできた「新しい店づくり」の集大成となる店舗をつくりあげることができたことだ。サミットは16年にオープンした「羽衣いちょう通り店」(東京都立川市)から、お客と心と心が通う“ハイタッチ”な店舗づくりを進めてきた。

 具体的には、従来の効率的に買い回ることができる直線的な導線から、壁面を湾曲化してスペースをつくり、各部門を「ゾーン化」する売場レイアウトへ変更した。これにはお客の滞在時間を長くし、回遊性を高めるねらいがある。

 また、接客専任の「案内係」やイートインスペースの「サミCafe」、試食コーナーの「おためし下さい」などの施策で“ハイタッチ”な接客に取り組んだほか、内装面では欧州の小売店を参考にした什器や照明で市場のような雰囲気を演出し、お客に“わくわく感”を提供した。

 松戸店ではこうした取り組みに加え、新たに壁面3カ所に大型のディスプレイを設置し、旬や季節感を演出する映像を流す。売場でお客に季節を感じ取ってもらい、旬の食材の購買へとつなげるねらいがあるのだろう。

壁面3カ所に設置したディスプレイでは、旬や季節感を演出する映像を流す

 そのほか、生鮮各売場や総菜、ベーカリー売場では、お客に製造工程が見えるようにオープンキッチンを採用。“ライブ感”のある売場づくりを行った。

 「松戸店はこれまでの取り組みの集大成だが、あくまで通過点。これでサミットの成長が止まるわけではない」(竹野社長)。サミットは、今後もお客目線で“ハイタッチ”な店舗づくりを継続していく。