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売れ続ける店の店長は、業務効率を上げたあとに売上最大化の施策を打つ!

こんにちは、成田直人です。前回は、店舗スタッフ全員の時間の使い方に着目し、スタッフの能力次第で売上が上がることを説明しました。つまり、限られた時間内でどう教育をするか、手を打つかということを考えることが重要なのです。では、どうしたら時間を確保して改善・成長の時間に充てることができるのでしょうか。今号で解説していきます。

 

毎朝、目標設定する!

 時間を確保して改善・成長の時間に充てる方法--。

 それは、毎朝「目標設定」することで確保することができます。何も決めずに一日をスタートしてしまうと、多くのイレギュラー事項に見舞われて、あっというまに一日が過ぎてしまいます。店長であるあなたが本来やるべきではないことにも振り回されてしまうのです。当然、スタッフの仕事の最適化もできないので、売上の最大化を実現することはできないでしょう。

 まず、朝出社をしたら、「今日は何をするべきなのか?」とタスクをすべて洗い出してみましょう。手順を紹介します。

STEP① タスクの洗い出し
STEP② タスクの振り分け
STEP③ スタッフへの依頼
STEP④ 店長・スタッフの行動評価(午前・午後1回ずつ)
STEP⑤ 明日に向けての改善

 まずはじめに、「今日は何をしなければいけないのか?」を明確にします。曖昧なまま一日をスタートするとやらなくても良い事に振り回されるので、何をするべきなのかをテーマにタスクをすべて書き出しましょう。

 そして次に、スタッフへの振り分けです。あなた自身でしかできないことはあなたが取り組み、他のスタッフでもできることは積極的に委譲することが大切です。そうすることで、自身でやらなくてもよいことに振り回されることがなくなる上、計画的に業務をこなすことができます。

 ここまでやって、1日がスタートします。午前のそれぞれの役割を明確にし、始めます。今度は午前が終わったタイミングで一人一人のタスク進捗状況を確認します。特定のスタッフが接客に入り、業務遂行があまりよくないのであればすぐに他のスタッフに仕事を振ります。こうして一度再度設定し、午後の仕事をスタートします。

 一日終わったタイミングで、「今日のタスク進捗状況」を全スタッフに確認をして達成度を見極めます。翌日に向けて改善するべき点があれば改善をし、特定のスタッフに新しい仕事を覚えてもらう必要があればここで(または翌日)レクチャー(トレーニング)をし、翌日に向けて準備をします。

 こうして日々の業務の最適化を図ることで店長はできる限り店長にしかできない仕事に集中するようにしましょう。業務の最適化ができれば、それだけ時間に余裕が生まれます。この時間を活用してトレーニングをしていきましょう。

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1日の入店予想をおおまかに計画する!

一日の入店予想をおおまかに計画する

 続いて、業務以外での時間管理の最適化についてお話をします。

 お客さまがほしい商品を欲しいタイミングで提供することが望ましいのはおわかりのことと存じます。セルフで買えるものであればよいのですが、接客の必要性がある商品であればどうでしょうか。

 人員配置が課題になりますよね。

 例えば、「今日は結構お客様の流れがゆっくりだから、このタイミング(12時)でお昼休憩にいってもらおうか?」と2人休憩に出した数分後にお客様が入り乱れて入店してくる、ということはよくある話ですよね。これも無計画が生み出した結果です。

 結果的に売り逃しが増えてしまうわけです。

 「ちょっとこのことについて聞いてみたいな」とお客さまが思っても周囲に店員がいなければ「またこんどでいいや」と先送りしてしまいますよね。

 閉店後に振り返ってみると、人気アニメの映画公開期間中で、12時ちょうどに映画が終わって、そのあと売場にお子さま連れの家族が一気に売場に散り、ピークタイムがやってきた、という結果であることがわかりました。

 これは、一日のおおまかな入店予想を計画しなかったことに問題があります。スタッフ人数が少ないので常にバタバタしてしまうのは私も現場で販売をしていましたのでよくわかります。最適な時間管理をするためにも店舗の周辺状況や町のイベントを把握することが大切です。最適なタイミングでPOPやレイアウトを組まなければ成果の最大化をすることができません。

 「なんか今日は子供向けの運動靴が良く売れたね~。欠品が出ちゃったよ」と気が付いたとします。

 実は近隣の運動会が翌週末に迫っているということがわかりました。「もっと早く気づいていれば在庫詰めたのにな・・・」と後悔してからでは遅いのです。業務効率を上げて時間ができたら売上最大化するための人員配置や事前準備を重ねることが大切です。

 ぜひこの2点を中心に行動・思考管理をして売上最大化を目指していきましょう。次回は、スタッフが身につけるべきスキルのトレーニングについてお話をします。お楽しみに。

 

なりた・なおと
19歳でABCマートアルバイト個人売上日本一を獲得。マネージャーになり昨年度対比1位、2位の原動力となる。その後、PC専門店PCデポに入社し、7ヶ月で個人売上1億円を達成。翌年、「良い」よりも「成果が出る」をモットーに小売・サービス・飲食業専門コンサルティング会社「株式会社FamilySmile」を創業。現在は、一部上場企業を中心にコンサルティング・研修・講演を手がけ多くの店舗で昨年度対比120%を達成。中には、3年で売上2倍になる店も続出するほどコンサルティングには定評がある。その功績が認められ日本三大褒章の一つ中小企業のノーベル賞と言われる「東久邇宮文化褒章」を受賞。セミナー講師ナンバーワン決定戦「S-1グランプリ」初代グランプリを獲得。