ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス(東京都/藤田元宏社長:以下、U.S.M.H)傘下のマルエツ(東京都/古瀬良多社長)は2022年10月7日(金)、東京都港区に「マルエツ プチ 赤坂Bizタワー店」(以下、赤坂Bizタワー店)を開店した。出店の背景とねらい、売場の様子をレポートする。
店舗概要
住所:〒107-6390 東京都港区赤坂5-3-1赤坂Bizタワー地下1階
電話:03-3588-5600
アクセス:東京メトロ千代田線「赤坂」駅から徒歩約1分
SKU数:6774(青果:294 鮮魚:150 日配品:1500 加工食品(酒類含む):3882 総菜:200 ベーカリー:28 日用品:500)
営業時間:7:00~22:00
世帯年収1000万円以上が28%!高所得者層多いマーケットに出店
赤坂Bizタワー店は、東京メトロ千代田線「赤坂」駅直結の「赤坂Bizタワー」地下1階にオープンした。同店から約200m南にあった「マルエツ プチ 赤坂店」からの移転オープンというかたちになっている。同店の出店によりマルエツの店舗数は全体で303店、東京都では148店となった。
赤坂Bizタワー店の主要商圏は店舗半径300m圏内で、2488人(1699世帯)が居住するエリアとなっている。周辺にはオフィスが密集していて昼間人口が多い。居住者は単身世帯が56.1%と多く、25~40歳の若い層は40.1%と、1人暮らしの若い世帯が多いという特性がある。また、商圏内人口の約28%が、世帯年収1000万円以上の高所得者層なのも特徴だ。競合店としては同じビルに入居する「成城石井赤坂Bizタワー店」や約120m北の「ビオセボン赤坂店」といった高質スーパーマーケット(SM)が挙げられる。
マルエツのなかでも「プチ」業態は都内を中心に、売場面積約132㎡~496㎡で生鮮品や総菜、日用品など、狭商圏で普段の生活に必要とされる商品を打ち出すフォーマットである。オフィス街であり、高所得者層、若い層が多いエリアに出店した赤坂Bizタワー店では「価格訴求する商品」と「ハイエンド層をねらった商品」の両極に訴求する商品政策(MD)を打ち出している。
商圏特性に合わせた商品の数々
入口付近では青果売場を展開。「アメーラトマト」(税込537円、以下すべて税込)や「蜜星バナナ」(321円)など、高品質の商品を打ち出していたほか、オーガニックコーナーも設置。
さらに、単身者に向けてスライスカットされた「かぼちゃブロック」(213円)やばら売りの「たまねぎ」(105円)も展開している。
鮮魚売場では、24時間熟成させた「赤魚西京漬」(321円)など加工商品を多く展開する。
精肉売場では、「桜もち豚ロースしゃぶしゃぶ用」(628円)や「優夢牛厚切りヒレステーキ用」(2696円・236g)など、ハイエンド層に訴求する商品を展開する。
青果・鮮魚・精肉の生鮮売場では、冷凍ケースも併設。保存性に優れた商品を展開することで、単身者の「食べる分だけ使いたい」「下ごしらえ抜きで調理したい」「すぐに食べたい」という簡便・時短・即食ニーズをつかもうとしている。たとえば青果売場では「時短調理冷凍野菜 千切りにんじん」(321円)を展開。
鮮魚売場では冷凍の「まぐろ切落し」(429円)や「えぼ鯛開干」(626円)を販売するほか、精肉売場では「お刺身のようにいただく鶏の切り身プレーン」(429円)などを訴求していた。
オフィス需要取り込む総菜売場の商品!
総菜売場では、オフィスワーカーが多い商圏特性を反映し、弁当・主食総菜を中心に約200SKUで展開。弁当類では、エスニック料理の「シンガポールチキンライス」(537円)や「牡蠣と帆立のわっぱ飯」(635円)を訴求。
主食類ではマルエツの中華総菜ブランド「五満悦中華」から「豚肉と野菜の旨みを味わう五満悦餃子」(216円)や「店内焼き上げ!ジューシー小籠包」(354円)などを展開していた。
ベーカリーでも、オフィス街の昼食需要を取り込む即食商品を多く販売する。「フィッシュフライパーカー」(259円)や「ヒレカツパーカー」(同)、「チキン竜田パーカー」(同)などがそのラインナップだ。
価格訴求型の商品には以下の写真のよう「この価格にご注目!maruetsuu365」という緑色のPOPでアピールする。また、品質をアピールしたい商品には「この品質にご注目!maruetsu365」という黒色のPOPを用意していた。
オフィスワーカーを取り込み、商圏内の高所得者層に「品質」と「安さ」で訴求する赤坂Bizタワー店は、年商8億円を目標に掲げる。