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大幅改装したユニバースの旗艦店、三沢堀口店の売場づくりを徹底解説

北東北最大のシェアを誇るユニバース(青森県/三浦建彦社長)のなかでも、繁盛店の1つとなっているのが「ユニバース三沢堀口店」(青森県三沢市:以下、三沢堀口店)である。同店は開業から16年目を迎えた21年7月に大規模改装を実施。最新のMD(商品政策)を全面的に導入したほか、買物しやすい環境を整備することで、さらなる競争力の向上を図っている。

熾烈な競争環境を戦うユニバースの旗艦店

ユニバース三沢堀口店

 青森県南東部、下北半島の付け根部分に位置する三沢市。その玄関口となる青い森鉄道線「三沢」駅からクルマで10分ほど離れた場所に三沢堀口店はある。

 同店は、自社開発の近隣型ショッピングセンター「三沢堀口ショッピングセンター」の核店舗として、2005年10月に開業した。売場面積は2559㎡とユニバースでは標準的なサイズだが、市内の商業集積地帯の一等地に店を構えていることもあり、同社有数の繁盛店かつ旗艦店の1つとしても位置づけられる店舗だ。

 三沢市の人口は県内7番目の約4万人だが、これに加えて米軍三沢基地に所属する軍関係者が約1万人居住しており、マーケットボリュームは決して小さくない。それゆえに三沢堀口店周辺でも、マエダ(青森県/前田恵三社長)、よこまちストア(同/横町俊明社長)、イオン東北(秋田県/辻雅信社長)など、県内や北東北を本拠とする有力食品スーパー(SM)チェーンがしのぎを削っている。さらには薬王堂(岩手県/西郷辰弘社長)や横浜ファーマシー(青森県/荒川孝男社長)といった食品も豊富に扱うドラッグストアも出店しており、競争環境は激しい。

 そうした市場においても地域有数の繁盛店としての地位を維持してきたことから、三沢堀口店の“強さ”がうかがえるだろう。しかしユニバースはその圧倒的優位な立場にあぐらをかくことなく、さらなる競争力向上を図るために三沢堀口店の大規模改装を決断。開業から16年目を迎えた21年7月、リニューアルオープンを果たした。本稿では、売場づくりやMDを中心に、リニューアルの全貌とねらいを解説していく。

レイアウトの工夫で開放感と量感を演出

売場導入部の青果は平台の高さを抑えつつ横幅を広げることで、開放感とボリューム感を演出する工夫を施した

 まずメーン入口から店内に入ると、旬の野菜や果物がびっしりと並ぶ青果売場が出迎える。リニューアルでは最前部の平台を低くして奥の鮮魚売場まで見渡せるようにした一方、平台の横幅は通常よりも長く設計。つまり高さを抑えて開放感を演出しながら、横に長さを広げることで商品の“面(フェース)”を広げボリューム感を演出するという2つの効果を生み出しているのだ(写真参照)。

 青果売場のMDの面でとくに力を入れているのが、

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