近畿、東海で事業展開するオークワ(和歌山県/大桑弘嗣社長)は鮮魚を“看板部門”として、品質、鮮度にこだわった商品で価値訴求に力を入れてきた。しかし、近年は原材料費の高騰や漁獲量減少など、取り巻く環境は厳しさを増す。そうした状況を打破するべく、新商品の開発や、プロセスセンター(PC)を活用した新たな試みも行い、収益性向上、独自の品揃えの実現へ取り組んでいる。
即食商品拡大し、粗利益確保に注力
鮮魚部門を取り巻く環境は厳しさを増している。原材料費の上昇で、とくに養殖魚の相場が高騰しているほか、天然魚の水揚げ状況も悪く、品揃えにも苦慮している状況だ。
オークワの鮮魚部門も同様だ。コロナ禍が明けて以降、外部環境の影響も相まって販売動向も変化した。コロナ禍では内食需要が伸び、新鮮なネタを使った「魚屋の寿司」をはじめ、高価格帯の商品も売上が伸長。ただ、当時は和歌山県内の店舗で店長を務めていた食品事業部水産部部長の浮田宗徳氏は、「こうした状況は長くは続かない」と危機感を覚えていたという。
予想どおり、コロナ禍が明けた22年秋頃から売上は悪化。コロナ禍と同じような商品展開を続けていたため、廃棄ロスも多く出るようになり、とくに高単価の商品が売れ残るようになった。
そこで浮田氏は「ガラッと商品構成を変えないといけない。魚屋だからこそ、基本に立ち返って鮮魚を売るべき」と考え、鮮度感を訴求できる商品を前面に出した売場づくりをめざした。そこで取り組んだのが、
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