オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)は2025年も、大阪府と兵庫県でさらなる出店を続ける構えで、ある業界関係者は「すでに10カ所以上の出店用地を押さえているようだ」としている。その1つが大阪府豊中市で、自社開発の大型店を出店するとみられる。周辺は地域に密着した小商圏型の食品スーパー(SM)が多く、オーケー進出による影響はやはり少なくなさそうだ。現地を訪れ、各店舗の特徴を踏まえたうえでオーケー出店後の競争の行方を考察した。
広域集客型の大型店を出店か
オーケーは25年度以降の出店についても着実に準備を進めている。前ページで取り上げた兵庫県西宮市に続いて、神戸市、尼崎市と兵庫県内での出店を続ける(開業時期・順序は不明)見込み。さらに複数の業界関係者からは大阪府高槻市、豊中市、兵庫県伊丹市などの地名も挙がっている。
このうち豊中市については、オーケー子会社が約2900㎡の土地を取得。高井田店同様に自社で土地を取得して開発するとみられる。実際に店舗を出店するとなれば、その土地面積からして大型店となる公算が大きい。十分な台数の駐車場を確保できると推測され、広域からの集客も期待できそうだ。
本誌の調べによると、取得した土地が位置するのは阪急電鉄宝塚本線「服部天神」駅から南西へ約1㎞の場所。名神高速道路「豊中」IC近くで、周辺は工場やアミューズメント施設などが多いが、幹線道路脇に入ると服部天神駅に向かって古い住宅街が広がる。この足元商圏に加え、とくに週末はクルマで来店するお客も多いと予想される。
この服部天神エリア内には、駅周辺を中心に人口密集地が点在するという特性からか小商圏型のSMが多く、それらが至近で競合している印象だ。オーケーが出店した場合、競合度合いが高いとみられるのが、❶「阪急オアシス服部西店」(オーケー取得の土地から北へ約770m)、❷「業務スーパーTAKENOKO豊中店」(同北へ約970m)、❸「ライフ服部店」( 同北東へ約8 8 0 m )、❹「F o o d sMarket satake TAKENOKO+豊中稲津店」(同東へ約840m)などである。
詳しくは後述するが、これらの店舗にはそれぞれに特徴があり、ある程度すみ分けが図られているようだ。一方で各店にとってはすでに日々厳しい競争を強いられており、オーケーが進出するとなると状況はまた一変するだろう。その意味では将来的に、前ページの西宮北口エリアに増して競争が熾烈化していくかもしれない。
「阪急オアシス」と「業務スーパー」が接近戦
既存各店の特徴を簡単にまとめておこう。❶阪急オアシス服部西店は平面および店舗上層階に駐車場を備え、今回調査した中で最もクルマでアクセスしやすい店舗だ。また研修センターを併設するほか、24年10月にはセルフ決済機能付きスマートカートの導入実験を行うなど、「阪急オアシス」の主力店舗の1つであるようだ。
売場はやや年季が入っているが、主通路を中心に広々としており買物がしやすい。生鮮3品の品質は高く、精肉はショーケースを導入して対面販売を行うなどこだわりがあるようだ。総菜の出来栄えはよく品揃えも豊富だが、丼物や和総菜、チルド麺などが平台の冷蔵ケースにやや雑然と展開されるなど、商品訴求力の面では若干課題も感じた。
加工食品や日配品では、
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