2025年1月下旬、オーケー(神奈川県/二宮涼太郎社長)は兵庫県南東部に位置する西宮市に、関西2号店となる「西宮北口店(仮称)」を出店予定だ。厚いマーケットが広がる「西宮北口」駅周辺は、高い集客力を誇る大型商業施設や食品スーパー(SM)が密集する激戦地。オーケーの進出は商圏内の勢力図をどう変えるのか、既存各店はどう対策を講じるのか。オーケー“出店前夜”の現地を訪れ考察した。
オーケー2号店は300坪弱のやや小型に
大阪市と神戸市の中間にある西宮市。そのアクセスのよい立地からベッドタウンとして発展し、人口は48万人を超える。市内には東西に鉄道路線や高速道路が伸びており、通り一本違うだけで街並みががらりと変わる印象だ。今回調査した市内中心部にある西宮北口駅周辺も、北側は戸建てを中心とした住宅街、南側は大型商業施設やオフィスビル、高層マンションなどが立ち並ぶエリアと景色は様変わりする。
このうち南側のエリアに25年1月下旬、オーケーが「高井田店」(大阪府東大阪市)に次ぐ関西2号店・西宮北口店を開業する予定だ。通行量の多い「山手幹線」沿いにある高層マンション1階部分、旧「マックスバリュエクスプレス西宮北口店」の退店跡に出店する。高井田店開業時の二宮社長の発言によれば、売場面積は300坪弱となる見込みである。
11月中旬、工事中の現場を実際に訪れてみたが、物件は間口が狭く奥に広い構造。駐車場も数台分しかなく、自転車や徒歩のお客をメーンに、足元商圏を射程とした小商圏型の店となる可能性が高い。高井田店のような大型店に比べると品揃えもある程度絞り込まれるだろう。
このパターンから彷彿とさせられるのが、今年3月にオープンした約218坪の「オーケー日本橋久松町店」(東京都中央区)だ。同店も西宮北口店と同じく、高層マンションの1~2階に位置する小型店で、いつ訪れても自転車や徒歩で来店した地元客で繁盛している。都市部であればこれくらいのサイズの店舗であっても、オーケーの集客力が衰えることはないのだ。
つまりオーケーは足元商圏に特化した小型店の成功パターンをすでに関東で確立しており、それが関西市場でも機能するというシナリオを描いたうえで、西宮北口店の出店を決めたのだろう。
ライフ西宮北口店と正面から激突!
オーケー西宮北口店と最も至近で競合することになるのが、ライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下、ライフ)の❶「ライフ西宮北口店」だ。オーケー西宮北口店から山手幹線沿いに西へ徒歩3分の場所に位置。2層構造で、1階は生鮮、総菜、加工食品など、2階で酒類と菓子、日用品、医薬品などを揃える、ワンストップショッピングの利便性が高い店舗である。
同店は駐車場も完備しているが、自転車・徒歩で来店するお客が多いように見受けられた。売場面積は約1700㎡とオーケーと比べてかなり大きいが、基本商圏はさほど変わらないかもしれない。
ここで留意しておきたいのは、
・・・この記事は有料会員向けです。続きをご覧の方はこちらのリンクからログインの上閲覧ください。