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イトーヨーカ堂の新総菜ブランド「ヨーク・デリ」好調の理由と新体制下での注目ポイントとは

イトーヨーカ堂(東京都/山本哲也社長)が2024年5月に立ち上げた総菜ブランド「YORK DELI(以下、ヨーク・デリ)」。約270アイテムが「イトーヨーカドー」や「ヨークマート」などの店舗で販売され、総菜部門の売上高は8月末時点でブランド発足前から5%伸びた。好調な出だしを切り、この秋には新商品も投入。素材や製法にこだわったアイテムを拡充し、差別化を加速させたい考えだ。

食材、製造過程で独自性を追求

 ヨーク・デリが始動した背景には、セブン&アイ・ホールディングス(東京都/井阪隆一社長:以下、セブン&アイ)がかねて取り組んでいる「食」にフォーカスした成長戦略がある。

 収益性に課題がある食品スーパー(SM)や総合スーパー(GMS)からなるスーパーストア(SST)事業について抜本的な改革を進めており、その一環として24年2月、セブン&アイグループ初の共通セントラルキッチンで、プロセスセンターの機能も備えた「Peace Deli( ピースデリ)千葉キッチン」(千葉県)の稼働を開始した。

10月1日発売の「秋の味覚!栗ごはん弁当」(税抜599円、写真左)。右隣の「秋薫る!紅鮭ご飯弁当」(同598円)は累計販売個数が弁当部門で1位の人気商品だ

 千葉キッチン稼働により店舗における作業の負担が減って効率化が進み、新商品の開発体制が強化されたことから、新たな施策としてヨーク・デリも立ち上がった。ブランドを確立させることで、イトーヨーカ堂で販売する総菜の認知度と品質の向上を図り、商品価値を上げるねらいがある。

 「専用のキッチンができたことで、これまでできなかったことを実現できている」。9月に開かれたヨーク・デリの新商品発表会で、イトーヨーカ堂フード&ドラック事業部惣菜部の統括マネジャー、中坪礼氏はこう手ごたえを語った。具体的には、使用する食品添加物を減らしたり、メーカーから仕入れていたタレなどの調味料を内製化したほか、原料の選定や原料に合わせた味付けの調整などの取り組みを実現できているという。

 ヨーク・デリの定番商品には、ピースデリが大いに活用されている。温総菜で人気商品の「生姜醤油香る!鶏もも唐揚げ」は、千葉キッチンで肉のカットから味付けまで行っている。天重や肉じゃがにも、千葉キッチンで毎朝丁寧に抽出しただしを使用。いずれも人気商品に成長した。ヨーク・デリのうち、ピースデリの製造インフラを活用した商品は38アイテムで、さらに増やす方針だという。

ヨーク・デリの冷総菜「牛肉の旨み!ほっこり肉じゃが」。ピース・デリでとっただしを使っている

旬の素材活用、売場刷新ブランド力を強化

 一方、

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