昨年の同時期はコロナ禍による自粛や規制がなくなったことに加えて、うるう年による営業日数増などが好影響をもたらした。好与件が続かぬ今年こそ、細かな仕掛けにより売上を積み重ねたい。今冬における売場づくりや販促のポイントを紹介する。
市況分析&今冬の方向性
トレンドワードを商品名に
本題に入る前に、筆者が得た気づきを1つ共有しておきたい。市場調査会社B・M・FT社より、「おいしさを感じる言葉 Sizzle Word2024」の調査結果が発表された。シズルワードは主に「味覚系、食感系、情報系、感情系」の4領域に分けられるが、調査結果の変遷が興味深い。
簡単に紹介すると、「味覚系」では1位が「濃厚な」であるが、2位「コクうま」、5位「極うま」、16位「特濃」など、2つの言葉が合わさった表現が台頭しているそうだ。
食感系では1位「ジューシー」、2位「もちもち」が依然強いものの、「サクサク」「サクッと」「カリッと」という擬音語も上昇中。一方で「ふわとろ」系がダウントレンドとのこと。これらの言葉から食のトレンドをつかみ、商品名やコピーなどに活用してみるのはどうだろうか。
イベントや気候の変化に丁寧に対応
まずは昨年冬(2023年12月~24年2月)の振り返りからしていこう。新型コロナウイルス感染症による自粛や規制のない年末年始となり人流が活発化し、売上好調の企業が多かった。
気候面では、12月中旬まで異例の暖冬が続いた。いったんは気温が低下するも年明け後から再び暖冬傾向で、東京では2月に最高気温20℃超えの日が2日もあった。そうしたなか、鍋関連をはじめホット系メニューは苦戦し、サラダや炒め物などが伸長した。
曜日与件では、12月24日のクリスマスイブが日曜日(図表)、2月3日の節分が土曜日と季節イベントが週末にあたったほか、2月には3連休が2回、かつ「うるう年」とプラス面が大きかった。
ちなみに、コロナ禍から続いていた商品単価上昇の波はこのころから鈍化している。昨年はプラス与件が多かったことを踏まえると、今年の冬(24年12月~25年2月)は
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