2024年冬における青果は、夏の猛暑の影響が懸念されるものの、本稿執筆時点では安定した収穫が想定されている。一方、長引くインフレ下における年末商戦は厳しいものになることが予想されるが、綿密な販売計画書の作成や商品理解の深化を図ることで、売上を伸長させることができる。本稿では24年冬の商品政策(MD)で注意すべきポイントを論じていく。
市況分析&今冬の方向性
24年冬の青果は回復基調の見込み
まずは2023年冬の青果部門を振り返ってみよう。野菜は高温と干ばつが続き、23年11月まで相場高が続いたものの、12月になると定植の遅れていた商品の出荷が安定し、相場は平年並みに戻り、さらに24年1~2月は安値で推移した。
一方、果実は高温による生育障害のため、みかん、リンゴ、柿、梨などの主力果実全般が不作となり、高値で推移した。輸入商品のバナナ、シトラス(柑橘)類、ブドウ、かぼちゃ、アスパラガスなども円安により原価が上がったことで、店頭での販売価格は高値となった。
次に、23年冬の市場における青果物の1キロあたり単価の前年同月比(図表)を見ていく。野菜は24年1月頃から主力商品の入荷量が増えたことで、1~2月の単価が前年割れとなっている。一方、果実は不作により、ブドウ以外は前年の単価を超えた。青果全体を見てみると、市場における青果物全体の1キロあたりの単価(対前年同月比)は、23年12月が111.1%、24年1月は99.7%、2月は102.8%となっている。生活必需品ともいえる野菜は価格が高くても購入される傾向にある一方、果実は嗜好性が高いため、消費者は価格が高ければ購入を控える傾向にある。先述したように、前季は野菜が安値、果実が高値で推移したが、そうしたなかでも全体的に前年並みの売上を記録しており、各企業が健闘したことが窺える。
24年は夏の猛暑の影響が懸念されるものの、昨年の収穫状況からして
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