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低カロリー甘味料市場、価値や使い方をあらためて提案し、新規ユーザー獲得をめざす

価格改定の影響で買い控えが発生し、2022年9月以降は前年割れが続いている低カロリー甘味料市場。あらためて低カロリー甘味料の価値や使い方を訴求することで市場の活性化を図りたいところだ。

金額PIは22年9月以降、前年割れが続く

 KSP-POSデータの低カロリー甘味料の期間通算(2022年9月~23年8月)の金額PIは865円で対前年同期比5.8%減、数量PIは1.72で同10.5%減となった。月別金額PIでは9月以降、前年割れが続いており、数量PIでは2ケタ減の月もみられる。これは22年6月の値上げの影響が大きいといえる。さまざまな食品の値上げや燃料費の高騰などにより、家計への負担が大きくなっており、高額商品を控える傾向にあるため、低カロリー甘味料は買い控えの対象になっていることが予想される。

あらためて低カロリー甘味料の価値や使い方を訴求することで市場の活性化を図りたい(i-stock/west)

 そこでサラヤでは、今年8月~9月に「ラカントS顆粒」の増量企画を実施。生活応援として顆粒タイプすべての容量を10%増量した。値上げにより使用量が減っている人や買うのをためらっている人に対して購買を後押しする企画となっている。同社ではレシピ提案にも力を入れており、インスタグラムでは週3回レシピを更新し、使用量アップを図っている。

 価格を重視する人がいる一方で、価格が高くても価値のある商品に対する出費は惜しまないという人も存在するため、低カロリー甘味料の価値や使い方をあらためて訴求し、新規ユーザーを獲得していく必要がある。

時短調理にもなる液体タイプが市場拡大のカギ

 形状タイプ別にみると、砂糖の代替として使用する人が多いことから、顆粒タイプが中心となっている。ブランド認知率の高い味の素の「パルスイート®」ブランドはこの秋にパッケージをリニューアル。毎日の料理や飲み物でカロリーコントロールができることや、使用量が砂糖の1/3でよいことなどがわかりやすく伝わるパッケージに変更した。

 日本リコスでは、天然甘味料ステビアと食物繊維を配合した「ステビアヘルス」を展開している。より上白糖に近いすっきりとした甘さの〈ホワイト〉と、黒糖のようなコクを感じられる〈ブラウン〉の2種類をラインアップ。ホームページでは「ステビアヘルス」を使ったレシピを定期的に更新しており、10月からはプレゼントキャンペーンで購買を促進する。

 冷たい飲み物にも使用できる液体タイプは、味の素の「パルスイート®カロリーゼロ液体タイプ」が市場をリード。料理で活用してもらうことを提案している。サラヤの「ラカントSシロップ」は、リニューアル以降、味わいが高く評価され、店頭配荷が進み、順調に売上を伸ばしている。

 浅田飴のロングセラーブランド「シュガーカット」は今年で発売50周年を迎えた。カロリー80%カットで糖類ゼロの「シュガーカットS」のほか、カロリーゼロで糖類ゼロの「シュガーカットゼロ」、植物由来の甘味料を使用した「シュガーカットナチュレ」などを展開している。発売50周年を記念して9月1日から「シュガーカット」シリーズを対象にしたプレゼントキャンペーンを実施している。

 液体タイプは顆粒タイプに比べ、使用率がまだまだ低いのが現状。溶け残りがないため使いやすく調理の時短にもなる液体タイプの使い方を訴求して、トライアルを獲得すれば、市場はさらに拡大しそうだ。