青果部門は、価格動向や入荷状況などの影響を受けやすく、購買傾向や利益動向も変動するため、MD戦略が難しいカテゴリー。しかし独自の戦略で品揃えを強化するチェーンが多い。最近オープンした新店の青果売場の事例を紹介する。
細分化されたコーナー展開で
鮮度や独自性などを訴求
全般的に食品価格が値上がりする中で、青果部門も、国産・輸入にかかわらず、調達価格の上昇など、時期ごとに対応が必要になる。
最近の新店では、地場野菜や有機野菜、輸入フルーツなど、さまざまなテーマを設定したコーナーを細分化して展開するほか、オリジナルの半加工品を加えるなど、独自性のある商品を打ち出す傾向が強まっている。
また、時期や鮮度、品質へのこだわりをわかりやすく訴求し、目に付きやすい売場を展開する事例が増えている。
2022年12月にオープンした「東武ストア松原店」では、従来から品揃えしてきた地場野菜コーナーを拡大し、木製什器を使用した印象的で大規模な売場を展開する。
同じく「フードスクエアカスミ東海中央店」では、輸入フルーツを集約した売場を展開。
「ライフ初芝店」では、「八百屋さんの手作りサラダ」コーナーを設置し、店内加工の鮮度と独自性のある品揃えを訴求する。
新業態の確立をめざしてオープンした「ベイシアFoodsPark大田原店」は、食のテーマパークがコンセプト。青果売場トップでは、時期によって素材を変更しながら提供する、店内加工のフルーツパフェコーナーを展開する。
カットサラダなどと関連加工品をコーナー化した「サラダコーナー」を展開するのは、「フレッセイ朝倉店」。青果売場と総菜売場の間に設置している。
このほか、多くのチェーンが冷凍野菜や冷凍フルーツの売場を拡大、品揃えを強化しており、ひとつのトレンドになっている。