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ガーデニング薬剤部門第1位は アース製薬の殺虫・殺菌剤

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親しみやすい商品名
園芸初心者の心をつかむことに成功

アースガーデン
花いとし1000ml
野菜うまし1000ml

選評

薬剤部門で、圧倒的な支持幅広い適用、作物と効果もヒット要因

 園芸薬剤部門でヒット商品に選定されたのは、アース製薬の殺虫殺菌剤「アースガーデン花いとし1000㎖ 」と「同野菜うまし1000㎖ 」の2商品だ。

 本来、選定されるのは1商品だが、アース製薬の園芸ブランド「アースガーデン」からの殺虫・殺菌剤であること、アンケート結果からも、バイヤーはどちらかだけでなく両方の商品名を挙げたところが多かったこと、同時に売場展開も一緒に行われていることを考慮し、両商品の受賞とした。いずれにしても、同部門では圧倒的な得票数を挙げての受賞である。

 コロナ禍でガーデニングを新たに始めた人は多い。そうした新規ユーザーが園芸用薬剤を使用するとき、何を選んだらよいのか、安全・安心な商品なのか、どうやって散布したらよいのか、といった心理的なハードルがある。そうした問題を少しでも解消しようとして開発されたのが、「花いとし」と「野菜うまし」だ。

 家庭日用品メーカーとして、多くのヒット商品を生み出してきたアース製薬が、徹底したマーケティングを行ってきたことは想像に難くない。実際に、これまでも同社は「ロハピ」や「やさお酢」といったこれまでの園芸用薬剤にはなかったような名前で商品を上市し、ヒット商品に育てている。今回の受賞商品も、「いとおしい」「おいしい」という五感に訴えて親しみやすいネーミング、花と野菜の文字をど真ん中に置いたわかりやすい商品パッケージ、幅広い適用作物と適用病害虫、そして使ってみるとはっきりわかる効果で、がっちりとユーザーの心をつかんだ。

アンケート結果

多くの項目で高評価、アース製薬の認知度も貢献

 「ブランド力」「斬新さ(デザインなど)」「メーケーの広告力」の3つの項目で、最高評価の「5」となった。

 「ブランド力」は選評でも書いたように、「花いとし」と「野菜うまし」の親しみやすいネーミングから高い評価となっているが、家庭日用品のトップメーカーとして企業ブランドを確立しているアース製薬の認知度も貢献しているといえるだろう。

 「斬新さ」に関しては、パッケージデザインから商品特徴がつかみやすいといった意見もあった。中央に「花」「野菜」と目立たせることで、売場で選んでもらいやすい商品となっている。

 「メーカーの広告力」も、アース製薬が得意とするSNSを使ったプロモーションが功を奏しているようだ。

 アンケートでは、バイヤーから、「野菜の生育時期に最適な商材」「花にも殺虫剤を使うことでより楽しめる文化をつくるよい商品」といったコメントが寄せられている

マーケット&プロダクト

構想12年。花用の殺虫殺菌剤を開発、園芸ビギナーでも使いやすいと評判

プロも使うケムシ駆除成分でケムシ・イモムシなどに効く「エトフェンプロックス」、葉裏の虫にも効く「ジノテフラン」を配合

 アース製薬の家庭園芸用品「アースガーデン」シリーズから2022年1月20日に発売されたのは、幅広い種類の花・観葉植物・庭木の病害虫に使える殺虫殺菌剤「花いとし」と、野菜・果樹の病害虫に使える「野菜うまし」。すばやく効き、効果が1カ月持続することから、園芸ファンはもちろん園芸ビギナーの強い味方になっている。

 コロナ禍の巣ごもり需要により22年の園芸市場は対前年比約105%と拡大した。園芸の主要年代層は60代以上のシニア層だが、コロナ禍で約250万人が新たに園芸を開始。その内の約8割が20〜40代の若年層と予測される。

 こうした状況から、アース製薬が課題に掲げるのは、一過性のブームで終わることがないよう、新規ユーザーの定着率アップを図ることだ。育て方がわからなかったり虫がついて枯らしてしまうなどして離脱することがないよう、ユーザー目線に立ってわかりやすさを重視している。

 中でも、「花いとし」は構想から12年の歳月をかけて開発したこだわりの商品だ。事前に自社で行った調査によると、園芸ファンが殺虫殺菌剤を購入する際の最大の決め手は「自分が育てている植物につく虫や病気に効く"専用品”であるかどうか」だという。それにもかかわらず、該当商品をうまく見つけられず悩んでいる人が多いことが消費者調査でわかった。

 そのためパッケージの中央に「花」と明記し、だれもが一目で「花用」だと見分けられるデザインにした。

速効性が高く葉裏まで浸透し幅広い害虫に効果を発揮する。野菜の栽培初心者はもちろん野菜をおいしく育てたいすべての人にオススメ

 使いやすさも重要なポイントだ。花栽培の困り事を解決するべく、数ある有効成分の中から最適なものを選定。AL剤では、初めて配合する有効成分の安定性を追求し、ようやく製品化までこぎ着けたという。また、「野菜うまし」は収穫前日まで使うことができる作物が多いため、園芸ビギナーはもちろん、野菜をおいしく育てたいすべての園芸ファンに寄り添う。

 こうした親しみやすいネーミングやパッケージは新規ユーザーに刺さり好調に推移している。両商品のプロモーションは紙媒体やSNS、WEBの記事広告など幅広く展開することで顧客接点を増やしていく方針だ。

「花いとし」「野菜うまし」の販促ボードを用意し売場を盛り上げていく

メーカー(担当者)のコメント

ユーザーに寄り添う情報発信を、LINEのお悩み解決で頼れる存在

 弊社の代表・川端克宜が商品のロゴを直筆で書くほど思い入れが強い「花いとし」「野菜うまし」が、バイヤーの方々から評価を頂いたことをうれしく思います。コロナ禍の巣ごもりで市場が拡大した園芸用品ではありますが、ピークを超えて落ち着きを見せている2023年度も、園芸を継続して楽しんでもらえるよう注力していきます。

いろいろな植物に使える汎用タイプの殺虫剤「いろいろな植物つよし」。パッケージは「花いとし」「野菜うまし」のデザインを踏襲しており視認性も高い

 今期の注目新製品は1月20日より全国で発売をスタートした「いろいろな植物つよし」シリーズ。その名のとおり、幅広い野菜・花・観葉植物に使用できるのが特徴で、スプレータイプは約500種、粒タイプは約300種に対応しています。スプレータイプは直接かからない葉裏の虫にも有効成分が浸透し効果を発揮。粒タイプはイヤなニオイがなく室内の観葉植物やキッチンガーデンにも使いやすいため植付時だけでなく生育途中にも使える点がポイントです。

 今後も、時勢とユーザーの実情をとらえ、コンテンツの充実化を図っていきます。キャラクターのまもるくんがガーデニングに関するアドバイスを行うLINE「ガーデニングのお悩み解決 ホットライン」は、友だち登録が29万9000人( 23年1月時点)に達し、Twitterのフォロワー数も4万4000人とガーデニング情報を求める方々に着実に届きつつあると実感しています。コロナ禍では非接触で手軽なLINEへの相談数も増えていることから、今後も農薬の安全性や正しい使用方法などの啓もう活動に励み、新規ユーザーの定着とガーデニング市場の活性化に寄与していきたいです。(マーケティング総合企画本部ブランドマーケティング部ブランドマネージャー 宮嵜秀一朗氏)