埼玉県を中心に首都圏で食品スーパー(SM)を展開するマミーマート(埼玉県/岩崎裕文社長)。同社は近年、従来の主力フォーマット「マミーマート」から、価格訴求力を強めた「生鮮市場TOP」「マミープラス」への業態転換を進めている。本稿ではこのうち、「生鮮市場TOP」の調査を実施し、同フォーマットの戦略を解説する。
調査日:2022年10月20日(本文中の価格は調査日の本体価格)
ビバモール内の店舗を業態転換
今回の調査で訪れたのは、2022年4月20日に「マミーマート」から業態転換してリニューアルオープンした「生鮮市場TOPビバモールさいたま新都心店」(埼玉県さいたま市:以下、ビバモールさいたま新都心店)だ。同店は、ホームセンター「ビバホーム」やスポーツ用品店、飲食店なども入居する大型商業施設の3階に位置する。
最寄り駅はJR各線「さいたま新都心」駅で、そこから南側に10分ほど歩くと到着する。駅の反対側には「ライフさいたま新都心店」も入居する大型商業施設「コクーンシティ」があるものの、ビバモールさいたま新都心店の近くにはコンビニエンスストアも含め食品を購入できる場所が見当たらない。オフィスや行政施設、住宅が多いにもかかわらず、意外に買物に困るエリアなのかもしれない。
ビバモールさいたま新都心店の売場を見ると、まずその繁盛ぶりに驚いた。平日の午前中にもかかわらず、お客がどんどん店内に入っていく。私は業態転換前の同店も見たことがあるが、以前は活気があるとはいえなかった。駐輪場にも多くの自転車が並んでおり、近隣住民に当てにされる店舗になったのだとみられる。
マミーマートの公表資料では、「生鮮市場TOP」のコンセプトは「行くのが楽しくなる食の専門店」、キャッチコピーは「他にはない買い物体験を」とある。日配品や加工食品ではEDLP(エブリデー・ロープライス)で地域最安値を訴求し、生鮮食品では価格だけでなく鮮度や品質にもこだわるフォーマットのようだ。業態転換した店舗の中には、転換前の2倍に売上が増えたところもあるという。
生鮮食品では低価格と品揃えを両立
ビバモールさいたま新都心店の売場
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