鉄道・バス、観光、レジャー、流通事業などを手掛けるアルピコホールディングス(長野県/曲渕文昭社長)傘下で、食品スーパー(SM)を運営するデリシア(同/萩原清社長)。同社はドラッグストア(DgS)との競争が熾烈化するなか、非食品カテゴリーを含めた購入頻度の高い生活必需品のワンストップショッピングを追求し、住居関連部門の再構築に取り組んでいる。
「SMならでは」の非食品売場を模索
「決して“花形”といわれるような部門ではなかった」。デリシアの萩原清社長は、社内での住居関連部門の従来の位置づけについてこう振り返る。通過率の低いスペースに売場が配置され、戦略的なMD(商品政策)プランも策定されず、ベンダーからの提案をベースとした品揃えに終始しがちであったという。非食品部門の売上高構成比は近年、他の多くのSMと同様4~5%で推移しており、これといった特徴のない売場が展開されていた。
しかし、デリシアを取り巻く環境は大きく変化している。甲信越地方でも勢力を拡大しつつあるクスリのアオキホールディングス(石川県/青木宏憲社長)をはじめ、食品強化型DgSがデリシアの商圏内に積極的に出店。こうしたDgSではヘルス&ビューティの専門性を強みとしながら、食品・日用雑貨カテゴリーでナショナルブランド(NB)の商品を中心に低価格を訴求し、品揃えも拡充している。全国的なトレンドではあるが、デリシアも例にもれず、業態を超えた熾烈な競争を強いられているのだ。
こうしたなかで萩原社長は、「食の領域を侵食するDgSの動きに強い危機感を抱いている」としたうえで、「S Mとしても、得意とする食品だけではなく、これまでお客さまのニーズをくみ取りきれずに欠落させてきた非食品部門の売場を再構築する必要がある。たとえば日用雑貨にしても、DgSとSMでは品揃えに大きな差がある」と指摘する。
そこでデリシアは今年に入り、住居関連部門の売上高構成比を現状の4~5%から8%にまで高めるというチャレンジングな目標を掲げた。
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