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低カロリー甘味料市場、コロナ禍で内食生活が浸透し、間口・奥行きともに拡大

健康イメージ
健康やダイエットを意識して低カロリー甘味料が選ばれているようだ。 i-stock/kazuma seki

健康意識の高まりを背景に伸長を続けている低カロリー甘味料市場は、コロナ禍においてその勢いがさらに加速している。内食生活が浸透したことで、料理やお菓子づくりなどに活用する人が増え、間口・奥行きともに拡大傾向にある。

4月以降は2ケタ増と大きく伸長

 KSP-POSデータの低カロリー甘味料の期間通算(2020年4月~21年3月)の金額PIは871円で対前年同期比18.1%増と大きく伸長。糖尿病や肥満症などのカロリー制限が必要な人だけでなく、ここ数年はダイエットや美容のために取り入れる人が増え、堅調に右肩上がりを続けてきたが、新型コロナウイルス感染症の流行により、さらに需要は伸びている。

 その理由のひとつは、糖尿病患者は新型コロナウイルスが重症化しやすいということが報道されたことで、日頃から血糖コントロールを行う人が増えたことに加えて、在宅勤務や外出自粛が求められたことで、おうち時間が増え、料理やお菓子づくりを行う人が増えており、健康やダイエットを意識して低カロリー甘味料が選ばれているようだ。

 月別にみると、1回目の緊急事態宣言期間の4月の金額PIは920円で同27.5%増、5月は887円で同19.3%増と大きく伸長。解除後も2ケタ増の伸長が続いている。運動不足による“コロナ太り”を気にして、日常的に砂糖から低カロリー甘味料に置き換える人が増えているようだ。この1年で低カロリー甘味料の間口・奥行きともに広がったものの、使用経験率はまだまだ低いため、引き続き、低カロリー甘味料の価値を提案していく必要がある。

使い方提案が進み日常使いが浸透

 形状タイプ別では、料理や冷たい飲み物にも使いやすい液状タイプが好調。溶けやすいため、時短調理にもつながると好評だ。液状タイプでトップシェアの味の素「パルスイート®カロリーゼロ液体タイプ」は、神木隆之介さんを起用したテレビCMを投下。料理やお菓子づくりに活用することを継続して訴求している。またブランドサイトでは、「パルスイート®」を使ったヘルシースイーツやヘルシー朝ごはん、食べジャムなどのレシピ提案で使用頻度アップを図っている。

 浅田飴の「シュガーカットゼロ」は、ぶどう糖を原料とするエリスリトールに、砂糖からつくられる高甘味度甘味料のスクラロースが原料でカロリーゼロとなっている。また、エリスリトールにラカンカエキス、ステビアを組み合わせたカロリーゼロ、糖類ゼロ、植物由来の甘味料「シュガーカットナチュレ」も展開している。

 顆粒タイプでは、サラヤの自然派甘味料「ラカントS顆粒」が市場をリード。有名パティシエや人気モデル、ユーチューバーなどにもファンが多く、SNSを通して若年ファンも取り込んでいる。

 三井製糖では、多様化するニーズに対応して、さまざまな商品を展開。半分の使用量で砂糖のおいしさそのままの上白糖を主原料に、高甘味度甘味料をプラスした「1/2上白糖」や、カロリーゼロ、糖質ゼロの「おいしくってカロリーゼロ」、砂糖から生まれたパラチニットを主原料とした甘味料「パラチニットスイート」などを品揃え。あらゆるニーズに対応している。

 低カロリー甘味料は原料や使い方、味わいもさまざまなので、味の好みや生活スタイルにあわせた売場提案をしていくことが重要だ。