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塗料市場、「巣ごもり需要」で市場活性化!定着につながる楽しさ訴求を強化

塗料市場が活性化している。とくに家庭用塗料については、新型コロナの影響で、自宅で過ごす時間が増えたことで、ペイントをはじめとするDIYを行う人々が増えているからだ。こうしたユーザーの中には、初めて塗料を手に取る層も少なくないとみられる。“ステイホーム”をより快適なものにするために、自由になった時間を有意義に使おうとするニーズが高まっている。今後、こうしたユーザー層をいかに定着させていくかが課題といえそうだ。

Case Study ジョイフル本田富里店(千葉県富里市)

「キシラデコール」50周年キャンペーンと連動して定番売場を催事化

ジョイフル本田富里店

 ジョイフル本田富里店は、1995年オープンの高い集客力を持つ大型店だ。普段から一般客のほか、農家やプロの職人の来店も多く、業務用商品へのニーズも高い。また最近では近隣で事業を行う外国人客も多く、割合が高まる傾向にある。

 塗料については、屋外木部用塗料として圧倒的な知名度を持つ大阪ガスケミカルの「キシラデコール」の発売50周年記念のキャンペーンを活用し、これと連動するかたちで積極的な売場づくりを行っている。

株式会社ジョイフル本田店舗運営部富里エリア館長 竹内浩志氏

 株式会社ジョイフル本田店舗運営部富里エリア館長の竹内浩志氏は、その狙いについて次のようにいう。

 「もともと『キシラデコール』は木部保護用の塗料としては、業務用として長い実績があり、プロからの評価も高い商品です。もちろん、DIYを行う一般ユーザー層にもよく知られています。色の種類が多くて選びやすい点や、とくに耐久性などの性能面でユーザーからの信頼性が高いため、従来から力を入れてきた商品です。今期はその発売50周年に当たるということから販促の提案をいただき、プロモーションスペースをつくり、キャンペーンと連動した訴求を行っています」。

 2021年に日本発売50周年を迎えた「キシラデコール」。71年の発売当初はドイツ産の製品を輸入販売していたが、日本の気候や風土に合わせた製品をめざして国内での研究・開発が進められ、現在ではすべて国内生産されている。

幅広いラインアップを取り揃える「キシラデコール」シリーズ

ヒロミさんプロデュース「八王子リホーム」とのタイアップ企画を展開

 現在、大阪ガスケミカルでは50周年を機に、消費者向けの大々的な記念キャンペーンを展開している。DIYerとして知られるタレントのヒロミさんをキャラクターに起用。ヒロミさんプロデュースブランドの「八王子リホーム」とタイアップした限定オリジナルカラーTシャツを製作し、「キシラデコール」シリーズ購入者に抽選でプレゼントするキャンペーンを展開している。

メーン入口正面から目につきやすい位置に等身大パネルを設置し、アイキャッチ効果を高める

 塗装のプロはもちろん、DIYユーザーにも、ヒロミさんのキャラクターで、「キシラデコール」シリーズの品質や製品をより身近に感じてもらうことをコンセプトにした企画だ。

 このほか、応募期間中に「キシラデコール」シリーズを購入し、塗装したDIY作品を撮影して応募してもらうフォトコンテストも実施。審査の結果、同社ホームページにある「みんなのDIY事例」に掲載された「健闘賞」作品については、もれなく2000円のQUOカードをプレゼントする。

 さらに「健闘賞」に選ばれた作品の中から、ヒロミさんに審査してもらい「特別賞」を選考。受賞者には、賞品としてヒロミさん直筆サイン入りTシャツが10人にプレゼントされるなど、盛りだくさんの内容になっている。

ユーザーのライフスタイルや使用シーンに合わせた情報発信や提案に努力

エンドでは、商品やプレゼント商品を展示し、ウッドデッキをイメージさせるディスプレーを採用

 ジョイフル本田富里店では、今年2月頃から、メーン入口付近の塗料コーナーに、プロモーションスペースを設置。「キシラデコール」シリーズ商品を揃えて、50周年キャンペーンを訴求する企画を実施している。

 竹内館長は「塗料の需要期はもう少し先ですが、早めに目立つ場所で取り組むことで、お客さまにも情報を認知してもらい、今後の最需要期の売上につなげていきたいです。もともとヒロミさんは『キシラデコール』を愛用してきたそうなので、キャラクターとして説得力があり、店頭でも販促用に用意していただいた等身大パネルのアイキャッチ効果が、非常に大きいとみています。塗料カテゴリーで、こうした催事企画は多くないので、効果がはっきり現れています」という。

 陳列商品はシリーズ商品を幅広く揃えているが、扱いやすくにおいの少ない「水性キシラデコールエクステリア」「水性キシラデコールウッドコート」などを最前面に打ち出し、その他の商品についても、特徴や使用シーンなどの情報提供に力を入れている。

 また竹内館長は、顧客とのコミュニケーションを日頃から重視しており、塗料についても使用シーンに合わせた多様な提案を行うよう心掛けているという。

 「たとえばウッドデッキにしても、その状態で長く使用していくことが想定されるのか、いずれ撤去して別目的のスペースにするのか、お客さまと話していくなかで、ライフスタイルまで踏み込んだ提案をし、長くおつきあいできる関係にしていきたいです。デッキそのものについても、素材ごとの長所短所や、メンテナンス方法の違いなどを説明します。塗料については、耐久性やその後の塗り替えなどを想定するとき、やはり『キシラデコール』はおすすめしやすい商品ですね」と高く評価している。

 コロナの影響で、家や庭まわりなどでさまざまなDIYに取り組む人の増加を日々実感しているという。「家にいる時間が長くなり、いろいろなところが目につくようになったためか、DIYで家の手入れをはじめる人も増えています。これをきっかけに“初めてやってみたら楽しかった”など、自分や家族の新しい楽しみ方として定着していってほしいですね。そのためのサポートにつながる提案を今後も努力していきたいと思います」。