「商品開発」はマーチャンダイザーの任務
スーパーマーケット(SM)が自社開発すべきブランドの種類は前回に述べた。競争が激化しつつある今日、商品開発の技術向上は、他社と商品を差別化して揺るぎない地位を築く強力な武器となることは間違いない。
商品開発プロジェクトを開始するにあたり、まずは商品部の組織改革が不可欠である。現行の役割分担を変更せずに商品開発という重大任務の追加命令を発令しても、目先の業務に追われて未知の試みは後回しになるからである。
バイヤーは有利な取引先を開拓し、既存および新商品をより安く調達して、お客を満足させると同時に、企業側にとっては効率のよい棚割りを編集することが任務である。そして、売れ筋の追加調達をし続け、最良の品揃えを維持することが求められる。したがってソーシング(有利な商品供給源を捜す活動)の対象はベンダーに限らず製造業も含まれるが、製品の品質変更にまでは立ち入らない場合が多い。
つまりバイヤーは、「この世に存在する無数の製品の中からお客にとって、同時に自社にとって、最も有利な商品を探し出して選び抜き、最良の棚割りを実現する」ことが任務である。したがって職務に伴う数値責任の種類は「1坪当たり粗利益高」である。
一方、商品開発を担当するのは、バイヤーではなくマーチャンダイザーである。この職務は、バイヤーとは異なる技術を必要とする。製造業としての知識が不可欠なのである。そのソーシング先は完成品を扱うベンダーではない。材料製造業(農産品なら農業団体)や製品製造業、そしてコールドチェーンや加工や貯蔵のシステム開発企業、機械メーカーなど、製品製造に関するシステムの供給源がソーシングの対象である。
マーチャンダイザーの本来の目的は、
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