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トップバリュ、10月1日から生活必需品を中心に60品目の値下げを実施 

イオントップバリュ(千葉県/土谷美津子社長)は、9月30日に開催した「25年下期価格戦略および新商品発表会」で、10月1日から生活必需品を中心とする60品目の値下げを発表した。今年4月の75品目の値下げに続く第2弾の実施で、節約志向を強める消費者ニーズにいっそう応えるねらいだ。

インフレ下で進むPBシフトの動きに対応

 イオントップバリュによると、国内飲食料品の値上げ品目数は202519月で234品目に達した。前年同時期は約11000品目で、それを大きく上回っている。平均値上げ率も15%に達し、物価高騰の勢いが如実に表れている。

 こうした背景から、消費者の間ではナショナルブランド(NB)からプライベートブランド(PB)への切り替えが進んでいる。イオントップバリュが258月に実施したアンケート調査によると、「今後も定期的に大手メーカー商品の値上げが続いた場合、PB商品への切り替えが増えると思いますか」という質問に対して、約7割が「増える」ないし「どちらかといえば増える」と回答した。とくに「増える」と回答した割合は、252月に実施した前回の調査時よりも2.3%増加。「既にPB商品のヘビーユーザーである」という回答は、1割に満たないものの252月時より1.2%増加した。

 こうした調査結果を踏まえ、同社は4月に実施した値下げに続くかたちで、60品目の値下げに踏み切った。土谷社長は「4月に75品目を値下げして、お客さまから大変ありがたいというお声をいただいた。今回の値下げも、製造元に迷惑をかけないで価格を下げるため、社員全員で必死に知恵を絞った」と話す。

イオントップバリュの土谷社長

生活必需品を平均1015%値下げ

 今回の値下げは、パックごはんや冷凍野菜・果実、調味料に加え、キッチンタオルやマスクなど日常的に利用される生活必需品60品目を対象とした。価格訴求型の「トップバリュ ベストプライス」だけでなく、「トップバリュ グリーンアイ」など環境や安全性に配慮した付加価値型PBも含め幅広い商品群で、平均で1015%の引き下げを実施する。

10月1日より生活必需品60品目を平均10~15%ほど値下げする

 イオントップバリュが物価高騰の中でも低価格を実現・維持できるのは、生産・流通の効率化を徹底しているからだ。同社は商品開発から販売に至るまでのプロセスを一元で管理している。そのため、自社で各プロセスの効率化を図ることができ、コスト削減を追求する体制が整っている。

 たとえば、チョコレートは年間の製造計画を大幅に見直し、大量発注と生産により低価格を実現している。パックごはんは、夏の閑散期を活用した計画生産を進めることで、コメの価格が上がる中でも値段を下げて提供する。

 ティッシュペーパーやキッチンペーパーなどの紙製品は、新たな製造拠点を開拓した。世界中から取引先を募集し、生産拠点を2カ所から3カ所に拡大。物流ルートも見直し、中間コストを削減した。

 このほか、冷凍チャーハンやわかめ、コットンなどの商品は、パッケージの形を変更しプラスチック使用量を削減。包材や物流コストを抑え、内容量を変えずにお買い得価格を維持している。

 土谷社長は「60品目は決して多くはないが、値段を維持するにはどうすればよいかということにさえ苦労する中で値下げを実現するのは、非常に大変だった」と振り返る。同社はこの施策を通じて、値下げ対象60品目全体で対前月比約1.5倍の売上伸長をめざしている。

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