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オートミール市場、健康志向の高まりで市場が急成長、メーカー各社の市場参入で品揃えも拡充

コロナ禍による内食需要の拡大や健康志向の高まりを背景に、オートミール市場が急成長している。需要の拡大を受けて、昨年からメーカー各社の市場参入が相次ぎ、商品のバリエーションが拡充。ユーザーの年齢層も広がりを見せていることから、今後もさらなる市場の拡大が期待される。

SNSやTV番組で人気急上昇
健康感、簡便性、汎用性に注目

 コロナ禍による内食機会の増加や健康志向の高まりを受けて、好調に推移しているシリアル市場。なかでもオートミールが急速に成長している。

 もともとアスリートの食事や離乳食などオートミールを生活に取り入れている人は一部にはいたものの、一般的にはあまり浸透していなかった。需要拡大のきっかけとなったのが、新型コロナウイルス感染症の拡大だ。

需要の拡大を受けて、昨年からメーカー各社の市場参入が相次ぎ、商品のバリエーションが拡充。ユーザーの年齢層も広がりを見せていることから、今後もさらなる市場の拡大が期待される。(i-stock/Arx0nt)

 2020年に入ってからSNSで徐々に話題となり、ステイホーム生活が長期化するなかで、その健康価値や簡便性、保存性の高さに注目が集まった。さらにテレビの情報番組などで取り上げられたことにより認知が広がり、人気が急上昇している。

 そもそもオートミールとは、オーツ麦を脱穀して食べやすく加工したもの。食物繊維や鉄分、ビタミンB1、たんぱく質などの栄養素を豊富に含み、米と比較してカロリーが低く糖質量も少ない。また、調理方法が簡単なため、主食として米の代わりに日常の食卓に取り入れられるほか、幅広いメニューにアレンジできる点も評価され、美容や健康に関心の高い層を中心に支持を集めている。

 KSP-POSデータをみると、オートミールの期間通算(2021年8月~22年7月)の金額PIは480円で前年同期比83.59%増と大きく伸長した。月別動向をみると、22年6月を除くすべての月で前年を大幅に上回っている。22年6月に、金額PIは高い水準で推移しながらも前年同期比が減少しているのは、1年前にテレビ番組でオートミールが取り上げられており、その影響で売上が大きく伸びたことによる反動とみられる。

商品のバリエーションが広がり、市場はさらに活性化

 21年3月までは、リーディングカンパニーである日本食品製造が約80%のシェアを占めていたオートミール市場。ニーズが急速に拡大していることを受けて、昨年からは大手シリアルメーカー各社をはじめとするメーカーの参入が増えている。

 昨年4月には、日本ケロッグが「ケロッグオートミール」を発売し、市場に参入。同9月には、日清シスコが「おいしいオートミール」シリーズを投入した。さらに、今年4月にはカルビーが「ベイクドオーツ」シリーズを発売。メーカー各社の参入により、プレーンタイプをはじめ、フレークタイプ、味付き、トッピング入り、栄養強化など商品バリエーションが広がり、店頭での品揃えも拡充している。

 一方で、オートミールの認知は9割まで高まっているものの、喫食経験者は3割程度にとどまっており、依然として成長の余地は大きい。

 メーカー各社は、健康価値や調理の簡便さといった魅力をアピールするとともに、レシピ提案などを積極的に行い、エントリー層のトライアルを喚起。間口を広げることで、オートミール市場全体のさらなる活性化をめざす。

 喫食者の年齢層も若年層から中高年層へと広がりを見せており、消費者の健康志向の高まりなどを背景に、今後も引き続きオートミール市場の成長が期待される。