コロナ禍において消費者の健康意識が高まり、オーガニック・低糖質・減塩・高タンパク質総菜などの商品群の注目度が上昇している。スーパーマーケット(SM)はお客にそれらをどう「提案」すれば良いのだろうか。SMの経営コンサルティングに多くの実績を持つアイダスグループの鈴木國朗氏がライフコーポレーション(大阪府/岩崎高治社長:以下ライフ)・ヤオコー(埼玉県/川野澄人社長)・ヨークベニマル(福島県/真船幸夫社長)の3つのSMを視察。売場を分析してもらった。
「BIO-RAL」は売場のメッセージが明確
減塩、糖質オフ、栄養機能食品──。コロナ禍において需要が高まっているのが、健康付加価値の高い食品だ。言うまでもなく、SMは消費者との最終接点。お客が求めている意志を汲み、深堀りしなくてはならない。だが、こと健康志向の強い食品に関しては、売場に並べていれば自然と売れるわけではないのもまた現実だ。主な課題は以下3つに分類されよう。①一般的な商品に比べて値段が張ること②商品計画が一貫しておらず、商品力が弱いこと③従ってSMが「健康」ニーズの受け皿になっておらず、消費者側も多くを求めていないこと、である。
とはいえ、食の専門業態であるSMとして、消費者の健康意識の高まりというトレンドを見逃すことはできない。有力SM各社は、売場でどんな取り組みをしているのだろうか。
今回は「ライフ青葉しらとり台店」(神奈川県横浜市)、「ヤオコー取手戸頭店」、「ヨークベニマル取手戸頭店」(いずれも茨城県取手市)の3店舗を視察した。あえて結論から申し上げると、ライフが健康提案MDの手法については飛びぬけて洗練されていることがわかった。そこで、本稿ではライフを中心に、他SMが売場において参考にすべき点を分析していく。
ライフは「健康」に対するアプローチが非常に明確だ。
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