亀田製菓のロングセラーブランドである「ハッピーターン」。利便性の高い包装形態かつ商品への安心感から親子のおやつとして支持が拡大。
今後は、吊下げ商品の利便性を生かしながら新しいお客さまとの接点を増やす商品ラインアップの拡張をめざす考えだ。
大人からの需要も増加、喫食者と食シーンが拡大

亀田製菓のロングセラー商品である「ハッピーターン」の発売は1976年。従来の堅焼きでしょっぱいしょうゆ味のおせんべいとは異なる洋風の甘いお菓子のようなおせんべいをコンセプトに開発された。
“ハッピーパウダー”と命名された「粉」による甘いようなしょっぱいような、食べ出したら止まらないおいしさが長年多くのユーザーから愛され、今やおなじみのブランドに成長した「ハッピーターン」。
これまでもさまざまなラインアップが誕生し、市場をにぎわせてきたが、近年は2004年に発売したひとくちサイズの「ハッピーターンミニ4連」が伸長。
コロナ禍を経て、菓子類の食べ方に変化が見られたことから、食べきりサイズの4連商品市場全体が伸長傾向にあることに加え、米菓の4連商品が少ないことから「ハッピーターン」本来のブランド力の強さも伸長の要因と考えられる。
さらに、2024年は「ハッピーターン」ブランドにおいて、人気アニメ「ブルーロック」とのコラボや、大人向けのフレーバーとして8種のスパイスをオリジナルブレンドした「ハッピーターン スパイス」をリニューアル発売し、集中的にプロモーションすることで、さまざまな方面から年間通してハッピーターンブランドとお客さまとの接点を拡大していったことも伸長の要因の1つとなった。
フックで陳列できる利点を生かす
また、吊下げ商品といえば、“子供用の菓子”というイメージのユーザーも多かったが、少子化傾向の昨今でも伸長しているカテゴリーで、おつまみ使用など、大人の食シーンが拡大していることもユーザー層の拡大につながっていると考えられる。
また、吊下げ商品自体が、フックで陳列できるため、定番コーナー以外のお酒のおつまみコーナーへの配荷が見られるなどさまざまな顧客接点をつくり出せることもこのカテゴリーの特徴である。
4連商品のラインアップ増へ、ユーザーとの接点増加を強化
今期は、近年4連商品が伸長していることや、同社の4連商品が「ハッピーターン」と「こつぶっこ」の2品であることから、2025年の春に新たな4連新商品の発売を予定しており、米菓以外の売場にも配荷されやすい4連商品の販売を強化することで、普段米菓売場に足を運ばないユーザーとの接点をさらに増やしていく考えだ。
加えて、従来の販促活動もより強化して継続し、「ハッピーターン」ブランド全体を盛り上げていく意気込みだ。
マーケティング戦略部米菓スナック第2グループ マネージャー歴舎直輝氏は、「子供用菓子としてのハッピーターンだけでなく、どの世代の人にもいつまでも購入していただけるよう大人にも食べてもらえるようなカルチャーを今後もつくっていきたい」と話してくれた。