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免疫機能を訴求する機能性表示食品「iMUSE」
スギ薬局、ウエルシア薬局、ツルハドラッグが相次いで販促強化する理由とは

昨年11月に機能性表示食品として新たに発売された「iMUSE」ブランド商品が、発売直後から販売実績を大きく伸ばしている。日本で初めて免疫機能をうたう機能性表示食品であり、新型コロナの影響で、感染症から身を守る免疫機能への関心が高まっていることも追い風となった。発売後から積極的に同商品を取り扱っているドラッグストア3社の販売動向や店頭事例を取材した。

飲料とサプリメントの併買効果で、免疫市場が活性化

キリングループが、飲料・サプリメント・ヨーグルトと、カテゴリーを横断して販売している「iMUSE」ブランドは、日本で初めて「免疫」を直接訴求できる商品として新たに登場したことで、取り扱い店舗も増加し、店頭提案も活発化。発売後からTVCMの投入効果もあり、販売実績を爆発的に伸ばしている。ドラッグストアでの飲料3品の販売動向を見ると、発売10週間累計で前年比226%の伸びを記録※。また同シリーズのサプリメントを併せて取り扱う店舗では、飲料3品との併買率が高くなっており、免疫市場を活性化させている。今後は飲料の纏め買いニーズに対応し、4月には飲料3品の6本パックの通年販売開始や消費者キャンペーンも予定しており、ますます注目を集めそうだ。

高いリピート率とバンドル販売効果でカテゴリー全体の活性化につなげる【スギ薬局】

日配冷蔵ケースの前では、突き出し什器を使った陳列を展開。目立つ演出で注目度を高めている
スギ薬局バイヤー 坂田修一 氏

 株式会社スギ薬局で「iMUSE」の取組を担当したのが、同社商品本部フーズ部バイヤーの坂田修一氏。坂田氏は「飲料カテゴリーで唯一免疫維持サポート機能を謳うことができ、水分補給をしながら、しかもお手頃価格で、誰でも簡単に体調管理ができる、といった特徴を持った非常に素晴らしい商品として当初から評価していました」と語る。

 機能性表示食品として発売後には、ブランドの売上数量、金額、購入者人数ともに、平均して200%以上の伸びを記録している。また発売後1 か月の時点で、リピート率は30%程度に成長。今後も伸長が期待できると見ている。坂田氏は「継続的な飲用をおすすめする意味で、よりどり4本などのバンドル販売を実施して効果をあげています。4本以上で購入されるお客様の比率は51.8%で、その他の炭酸、紅茶、無糖茶などのバンドル販売と比較して高い数値になっています」という。

 また性年代別構成比で見ると、「レモン」は全世代の女性に支持され、「水」は中高齢層女性に、「ヨーグルトテイスト」は男性の支持が高いなど、3 品それぞれの特徴が異なり、うまく棲み分けができていると指摘する。

 「こうした特徴があることで、商品構成や品揃えの戦略が考えやすくなっています。部門の異なるサプリメントについても、ドリンクと同じ売場でも展開するなど連動することで相乗効果を図っています。こうしたさまざまな取組み効果で、導入後の飲料部門全体や、特保・機能性棚の販売や立寄り率が大きく伸びています。この伸長に『iMUSE』が大きく貢献し、活性化にもつながりました。当社としては、今後もウィルスに対する不安を少しでも取り除いていただけるよう、優れた商品についての情報を正しく提供し、貢献していきたいと思います」(坂田氏)

エンドでは、トップボードで新たな訴求ポイントである「免疫」を前面に出して訴求。また、継続的な飲用を提案するために、よりどり4本のバンドル販売を実施

機能性表示食品として新発売後約300%の伸びを記録
目的来店に期待【ウエルシア足立西新井店】

レジ横でドリンクとサプリメントを併せて配置。ウイルス対策品と併せて陳列する

 ウエルシア足立西新井店では、「iMUSE」ブランド商品が、機能性表示食品として新たに発売されることに早くから着目。本部から「売れる」という情報提供もあり、取り扱いを強化した。

ウエルシア足立西新井店店長 鶴谷 忍 氏

 同店店長の鶴谷忍氏は、「機能性表示食品になる前から動いていた商品ですが、発売直後の昨年12月から販売数量が跳ね上がり、ブランド全体で300%ほどの伸びを記録しました。今年1月もそこからさらに20~30%程度伸びています。またサプリメントについても、着実に伸びている印象です」と想定以上の伸びへの驚きを語る。

 同店では、独自の販促物を加えて「免疫コーナー」を新設。定番ドリンク売場以外でも露出を増やすことで成果につながった。「それまで免疫をうたうコーナーはなかったのですが、機能性表示食品となったことで展開しやすくなりました。お客様の関心も高く、TVCMを

見て商品を探しに来店されるケースもありました。またサプリメントについては、レジ横の売場から購入されるお客様が多いですね」(鶴谷店長)

 来店客の動向については個人差が大きく、たとえば同じようにマスクを買いに来店する顧客でも、体調管理や感染症対策への意識に温度差があるという。

 「意識の高いお客様は店舗のコロナ対策などについても関心が高く、特にそうしたお客様に響く商品だと思います。最近は6本パックやケースで購入されるお客様も増えており、習慣として家族で飲まれている方も多そうです」(鶴谷店長)

「管理栄養士オススメ」のトップボードを掲げて大きく展開する免疫コーナー

 今後は「iMUSE」を中心とした「免疫コーナー」を目的とする来店層が、さらに増えていくという手応えを感じているという。

「手軽に毎日飲めて体にいい」というイメージが定着して売れ筋商品に【ツルハドラッグ新宿西落合店】

ツルハドラッグ新宿上落合店 店長
柴田 翔 氏

 ツルハドラッグ新宿上落合店店長の柴田翔氏は、「iMUSE」ブランドが機能性表示食品として新登場直後から、飲料の販売本数が1週間で100本を超えたという。

 「もともとどの店でも出しておけば売れるという商品でした。プラズマ乳酸菌が添加されていることで、“腸活”の観点からも注目されていました。またドリンクについては、毎日手軽に飲めることも、手にとっていただきやすい要因になっていたと思います」と柴田店長は語る。

 乳酸菌市場全体が活性化しており、免疫強化に役立つという認識も広がっているという。

「iMUSE」を中心に乳酸菌関連商品などを集約してアウト展開する

 柴田店長は「これまでPOPなどで明確に免疫機能強化をうたうことができる商品がなく、問い合わせを受けた時に口頭でご紹介などをしていました。今回、機能性表示食品となったことで、より明確なエビデンスとともに訴求することができますし、サプリメントを含め、乳酸菌や免疫関係の商品を集約して売場を作ることで、相乗効果も期待できるようになりました」と、販促面での総合的なメリットを指摘する。

 またCMなどで知名度が高いことも大きいという。「iMUSE」ブランド自体に、手軽に毎日飲めて体にいいというイメージが定着しているという。

 柴田店長は、「すべてのお客様が細かいメカニズムを認識しているわけではないと思いますが、商品名やメーカー名の認知度が高いことや、サプリメントもある、という信頼感が売れ行きにつながっていると思います。今後も免疫機能への関心は高まっていくと思いますので、通年売れる商品として期待しています」という。

サプリメントは関連商品と併せて展開。専用什器を使用して、情報発信力を高める