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米雇用4月は2050万人減、大恐慌以来最大 失業率は戦後最悪14.7%

米労働省が8日発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から2050万人減となり、1930年代の大恐慌(グレート・ディプレッション)以降で最大の落ち込みとなった。写真は失業保険を申請する人たち。4月6日、米アーカンソー州フォートスミスで撮影(2020年 ロイター/Nick Oxford)

[ワシントン 8日 ロイター] – 米労働省が8日発表した4月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月から2050万人減となり、1930年代の大恐慌(グレート・ディプレッション)以降で最大の落ち込みとなった。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)が米経済に打撃を与えていることが浮き彫りとなった。

ロイターがまとめたエコノミスト予想は2200万人減。3月の非農業部門雇用者数は70万1000人減から87万人減に改定された。

失業率は14.7%と、第2次世界対戦後に記録した1982年11月の10.8%を上回り、戦後最悪となった。市場予想は16%。3月は4.4%だった。

MUFG(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、クリス・ラプキー氏は「4月の雇用統計に何か良い面を見いだそうとするなら、米経済はこれ以上悪化することはないということだ」とし、「多くの州で経済活動が再開されつつある中、雇用喪失は今後は和らいでいく」と述べた。

コロナ禍が始まってからの2カ月で非農業部門雇用者数は2011年2月以降で最低水準となった。

4月はほぼ全ての部門で雇用が減少。レジャー・接客業では770万人の雇用が失われた。レストラン・バーの雇用喪失が約4分の3を占めた。ヘルスケア業でも、歯科医院や開業医などが雇用を削減したことで、140万人減少した。

失業率は3月から大きく上昇したものの、労働力が643万2000人減少したことで上昇は緩和された。

労働参加率は60.2%と2.5%ポイント低下し、1973年1月以来の低水準となった。

現在は職を探していないが働く用意のある人(縁辺労働者)や正社員になりたいがパートタイム就業しかできない人を含む広義の失業率(U6)は22.8%と、3月の8.7%から大きく上昇した。

経済の雇用創出能力を見極める指標とされる、人口に占める雇用者の比率は51.3%と、8.7%ポイント低下し、1948年の統計開始以降で最低となった。

時間当たり平均賃金は4.7%増と、増加率は3月の0.5%から大きく加速。予想の0.4%増も大きく上回った。皮肉にも、低賃金であることが多いレジャー・接客業で多くの雇用が失われたことで押し上げられた。賃金の上昇率は前年比では7.9%になる。

週労働時間は34.2時間。3月は34.1時間だった。

新規失業保険申請件数は増加が続いているものの、雇用喪失は4月に底を打った可能性があるとの見方も出ている。

小売大手ウォルマートやアマゾン・ドット・コムなどはネット販売の急増に対応するため人員の採用を進めているほか、トラック運転手やスーパーマーケットの店員などの職種も需要が増加している。

それでも、エコノミストは労働市場の急速な回復は望めないと指摘。TSロンバード(ニューヨーク)のチーフエコノミスト、スティーブ・ブリッツ氏は「健康、財産、所得、雇用を巡る不安感を反映し消費者行動が変化することを踏まえると、営業再開はできない可能性があり、再開できたとしても雇用者数は少なくなる」と指摘。「このため、基調的なリセッション(景気後退)は第3・四半期に入っても継続すると予想している」と述べた。