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米S&Pが最高値更新、ウォルマートの好決算が支援

wallstreet
11月14日、米国株式市場はS&P総合500種が小幅に上昇し、最高値を更新して取引を終えた。2016年12月撮影(2019年 ロイター/Andrew Kelly)

[14日 ロイター] – 米国株式市場はS&P総合500種が小幅に上昇し、最高値を更新して取引を終えた。ネットワーク機器大手シスコシステムズのさえない業績見通しに圧迫された一方、小売大手ウォルマートの好決算に支援された。

前日に最高値を更新していたダウ工業株30種は小幅安で終了。ナスダック総合も小幅安で引けた。

シスコシステムズは7.3%急落。世界経済の先行き不透明感が一段と高まり、ルーターやスイッチなどネットワーク機器需要が低迷する中、第2・四半期の収益が予想に届かないとの見通しを示したことが嫌気された。

シスコ株の下げは3指数の最大の重しとなったほか、S&P情報技術セクターを圧迫。同セクターは0.1%下落した。

ウォルマートは、通期利益見通しを上方修正。第3・四半期(8─10月)の利益や米既存店売上高が予想を上回った。

同社株は一時、過去最高値に上昇。終値は0.3%安だった。ただ、同社の決算を受け、S&Pの小売株指数と一般消費財株指数は上昇した。

ユニオンバンクのシニア・ポートフォリオマネジャーは「米経済にとって重要な年末商戦期の前に消費者セクターが底堅さを見せ、健全なペースを維持している」と指摘。その上で、米中貿易摩擦や世界経済情勢が引き続き圧迫要因となっているようだとの見方を示した。

米株市場はこのところ、米連邦準備理事会(FRB)の利下げや、市場予想を上回る企業決算、景気底入れの兆候に支援され、最高値を更新してきた。

リフィニティブによると、S&P総合500種採用企業の第3・四半期決算は、発表シーズンが終盤に近付く中、約4分の3が市場予想を上回っているものの、全体では0.4%の減益になる見通しだ。

FRBのパウエル議長は14日、下院予算委員会で証言し、過去最長の拡大局面にある米経済に過熱の兆候は見られず、急激な景気後退に陥るリスクは極めて低いとの見解を示した。

15日に発表される10月の小売統計が注目される。

S&Pの主要セクターでは不動産が0.8%高と最大の上昇率を記録。一方、エネルギーと主要消費財は、情報技術セクターと同様に軟調となった。

百貨店のディラーズは決算が好感され、14.2%急伸した。

ニューヨーク証券取引所では値上がり銘柄数が値下がり銘柄数を1.34対1の比率で上回った。ナスダックでは1.21対1で値下がり銘柄数が多かった。

米取引所の合算出来高は約63億株。直近20営業日の平均は69億株。

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