[7日 ロイター] – 米年末商戦の開始を告げる感謝祭が目前に迫っている。今年は販売日数が例年よりも短いため、小売各社は配送サービスの加速やセールの前倒しを武器に商戦に挑む。
今年の感謝祭は11月28日と昨年より1週間遅いことから、クリスマスまでの商戦期間は6日少ない。
小売各社はインターネット通販大手アマゾン・ドット・コムが展開する無料の1日配送サービスに攻勢をかけ、クリスマスなどの主要な期日までの商品配送に注力する。
小売大手ウォルマートは今回初めて最低35ドルの購入で無料の翌日配送サービスを提供する。
ディスカウント大手ターゲットは、アプリで購入した商品を駐車所で受け取れる「ドライブアップ」サービスを全米で開始。商品は購入後最低1時間で受け取りが可能という。その他、最低購入額なしの無料配送サービス、ネットで購入した商品の店舗受け取り、同日配送サービスも展開する。
家電量販大手ベスト・バイも数千点の商品について無料の翌日配送サービスを提供するという。
クレジットカード大手マスターカードのシニアアドバイザー、スティーブ・サドーブ氏は今年の米年末商戦期の売上高見通しは引き続き堅調との見通しを示す。マスターカードの11月1日─12月24日までの小売売上高(自動車除く)見通しは前年同期比3.1%増。
年末商戦のセールは毎年早まる傾向にあるが、今年は一層顕著だ。
ウォルマートは玩具や電子機器、ゲーム製品などのセールを10月25日に前倒しして開始した。
アマゾンやターゲット、中堅百貨店コールズなども「ブラックフライデー(感謝祭の翌日)」セールをすでに開始している。
ただ、トランプ政権による対中関税の影響はくすぶる。中国製の衣料品や靴、一部電子機器などに対する追加関税は9月に発動。12月15日には残りの消費財に対する追加関税も課される見通しとなっている。
全米小売業協会(NRF)によると、米国民の79%が対中関税の影響で年末商戦の支出が拡大すると懸念している。