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イズミ24年2月期第2四半期決算は増収減益で着地! 果敢に積極投資を行う理由とは

イズミ(広島県/山西泰明社長)は2024年2月期第2四半期の決算を発表した。「ゆめタウン」などの商業施設の業績が好転した一方で、原価高騰や水道光熱費増など厳しい環境のなかで積極的に投資した結果、増収減益となった。イズミの決算概要と今後の施策についてレポートする。

積極的投資で増収減益に着地

 イズミの2024年2月期第2四半期決算(連結)は、営業収益が対前年同期比4.1%増の2333億円 、営業利益が同1.1%減の155億円、四半期純利益が同1.6%減の104億円と増収減益で着地した。

 コロナの5類移行による人流の回復を背景に、ゆめタウンをはじめとした商業施設の業績が好転。それに伴って、小売事業のほか、クレジットカード会社のゆめカードや施設の管理や工事業務を行うイズミテクノ、「ミスタードーナツ」などを運営するイズミ・フード・サービス(いずれも広島県)などの小売周辺事業の業績が伸長したことが営業収益に寄与した。

 また、「消費の2極化」に対応すべく、高付加価値商品の品揃えと価格訴求強化の両軸に注力したことで、食料品の既存店売上高は同3.5%増加した。

 営業利益に関しては、水道光熱費などの一般管理費が前年同期から約8億円増加したことに加え、新規出店や既存店の活性化、デジタル・トランスフォーメーション(DX)などに約50億円を投資したことなどから減益となった。一方で全体の既存店売上高(直営店ベース)は同4.1%向上しており、執行役員経営企画部長の平公成氏は「既存店活性化についてはすでに既存店売上高に寄与している」との考えを示した。

 イズミは24年2月期第2四半期において、22年オープンの「ゆめマート西条」(広島県東広島市)をモデル店舗として「ゆめタウン祇園」をスクラップビルドし、「ゆめテラス祇園」(広島県広島市)としてオープンするなど既存店の改装に力を入れた。「ゆめテラス祇園」は店内を木目調にしたほか、棚を低く設置するなどの工夫を凝らし見晴らしがよく回遊性の高い店舗に仕立てた。こうした改装は既存店売上高に寄与するだけでなく「イズミのブランド力を高めている」と平氏は説明する。

 イズミは、こうした積極投資は「第二次中期経営計画(2022年2月期から2026年2月期)」のなかで今期をピークとし、24~25年にかけてこの投資の成果が売上高や営業利益に寄与していくと見込む。

イズミが行う価格対策とは

 他方、平氏は「とくに北九州においては価格競争が激しくなっている」と価格政策を重点的に実施していることを明かし「北九州の各店に価格決定の裁量を委譲している」と話す。

 また、原料高騰により本来値上げが避けられない商品の値段を据え置いた。その分、粗利率の高い商品の売上構成比を高めることでカバーしている。たとえば、企画・製造・販売の全工程を自前で行うイズミのオリジナル総菜ブランド「zehi (ゼヒ)」だ。イズミは今後「zehi」の売場を拡げ、売上構成比をさらに高めていく。

 低価格のプライベートブランド(PB)、および留型の「バジェット商品」開発にも注力する。このうち「バジェット商品」売上は約8億円の売上を計上し、下期は約11億円を見込む。平氏は「中期経営計画の最終年には年間売上40億円にまで高めていくことを目標とする」と意気込んだ。

イズミの今後の出店計画とは

 今後の出店計画としては、24年春には「ゆめマート新大村(仮称)」(長崎県大村市)および「ゆめモール合志辻久保」(熊本県合志市)、24年内に「五日市建替店舗(名称未定)」(広島県佐伯区)を出店予定だ。

 また、「新規出店よりも効率が良い」(平氏)としてM&A(合併・買収)にも積極投資をしていく。会見では「第二次中期経営計画でM&Aに約200億円を投資する計画を発表したところ、提案の話が相次いでいる」と、進捗について触れた。

 イズミは、こうした施策をとることで、第二次中期経営計画で示した通期営業収益5900億円、営業利益410 億円をめざす。