東京商工リサーチは2月8日、2020年4月から21年1月までの10カ月間で居酒屋の倒産(負債1000万円以上)が前年の同じ時期に比べて16.9%増の145件に達したと発表した。このままのペースで推移すると、20年度(20年4月から21年3月)はこれまで最多だった19年度(149件)を上回り、過去最多の更新が確実な情勢だ。
19年度は人手不足に伴う人件費高騰と消費増税で業績が悪化した居酒屋が多く、過去最多の倒産を記録した。20年度は新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言の発令や在宅勤務の広がりで、来店客数が大幅に減っており、前年度を上回る事業環境の悪化が続いている。
倒産の原因別では、販売不振が127件で全体の87.5%を占め、資本金別では1000万円未満が93.7%となっており、小規模零細の居酒屋が販売不振に陥って倒産する例が多い。