[東京 10日 ロイター] – 東京商工リサーチは10日、新型コロナウイルスの影響を受けた負債額1000万円以上の破綻件数が、10月は105件となり単月での最多件数を更新したと発表した。2月からの累計では、全国で674件となった。負債1000万円未満も含めると累計709件。業種別の上位には飲食業やアパレル、宿泊業が並んだ。
商工リサーチは「企業業績が回復しない中で、コロナ破綻の増勢が鮮明になっている」と指摘する。6月に103件と100件を超えた後、7月には80件、8月は67件と前月を下回ってきたが、9月には100件となっていた。11月は10日までに28件となっている。
業種別では、飲食が114件、アパレル67件、宿泊55件などとなった。飲食業は「来店客の減少や休業要請などで打撃を受け、小規模事業者の破たんの増加ペースが鈍らない」という。飲食業界の需要減が影響し、飲食料品卸売業34件や食品製造業27件となった。
同日発表した10月の全国企業倒産件数(負債額1000万円以上)は、前年同月比20.0%減の624件だった。負債総額は、同11.5%減の783億4200万円。件数は7月以降、4カ月連続で前年同月を下回っており、10月としては過去50年で1989年に次いで2番めに低い水準となった。商工リサーチでは「政府・自治体、金融機関の資金繰り支援策の効果」とみている。
一方、負債1000万円未満は「全国的に倒産がじわじわ増えている」(商工リサーチ)。手元資金は潤沢でなく、支援が途切れれば「行き詰まる先が増える可能性がある」と商工リサーチは指摘している。